小祝、稲見、古江...若き精鋭たちが魅せる熱き戦い。今季「賞金女王」に輝くのは誰だ? (4ページ目)

  • 古屋雅章●構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

原 英莉花(22歳)
2020-2021シーズン出場32試合。優勝2回。トップ10入り10回。
賞金ランキング8位(獲得賞金9270万4011円)

 圧倒的な飛距離に、優れたゴルフセンス。抜群の容姿やスタイル。原さんは、天が二物も三物も与えたと思わせる選手。そんな完璧とも言える彼女ですが、ゴルフでもう一段上に突き抜けられないのは、おそらくその"完璧"が邪魔をしているのかな、と感じています。

 プレーぶりを見ていると、彼女は常に100%を求めていて、100%の結果や成果が出ないと受け入れられない"完璧主義"のように見えます。その厳しさは悪いことではないけれど、ゴルフは100%を目指すゲームではないんですよね。

 気づいたら120%の力が出ていた、ということもあるけど、それはプレーしている舞台とか、競っている相手から引き出されたり、運や偶然が重なったりして生まれるもの。自分で常に100%を出し続けようと思うと、ゴルフはきつくなってしまいます。ミスを許せずに自分を崩してしまう――彼女を見ていると、そういう危うさを感じます。

 昨年は、日本女子オープンとJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと、優勝した国内メジャー2戦で強さを見せつけましたが、その一方で、ここまで予選落ちや下位で終わる試合も多く、好不調の波が大きいように思います。ひとつの試合を通してみても、4日間のスコアがそろわず、落差が激しいことが多々あります。

 それは、非常にもったいないこと。彼女には、80点のショットでも勝てることがある、ということを受け入れてほしい。そして、ひとつのミスを許しながら、試合で改善していく"粘り"みたいなものも身につけてほしいですね。

 彼女のようなタイプが粘りのゴルフをし出したら、周りの人はものすごく嫌だと思うし、相当な脅威となるはず。もし原さんが、そういうゴルフができるようになったら、間違いなく一段突き抜けた存在になるのではないでしょうか。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る