【木村和久連載】優秀なコーチが力を発揮する環境を日本で築くには?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第248回

 日本の男子ゴルフ界には、コーチという存在が少ないというか、さほどいませんよね。一時期、丸山茂樹選手が全盛だった頃は、男子プロにも立派なコーチがついていたのですが、今ではだいぶ減りました。

 そもそも日本の場合、"プロ専門のコーチ"というのはあまり聞いたことがないです。大抵、コーチ業というのは、並行してジュニアやアマチュアのスクールをやったり、メディアのレッスンなどで活躍したりしないと食べていけないからでしょう。

 20年ほど前、昨年亡くなられたプロ専門コーチだった後藤修先生のレッスンを、雑誌の企画で3年ほどやりました。その頃でも、後藤先生はアマチュアの生徒を集めて指導していましたからね。ジャンボ尾崎プロや中嶋常幸プロの師匠でさえ、生活のためには、素人相手のレッスンをしなければならなかったのです。

 最近、コーチで脚光を浴びているのは、渋野日向子選手を指導している青木翔コーチでしょうか。今や引っ張りだこで、同じ女子プロでも、渋野選手のパター練習を参考にしている選手が多いみたいですね。

 青木コーチだけでなく、女子プロを教えているコーチは他にも結構います。

 ただ、女子には教えることができても、男子には教えられない――それは、どうしてなのか?

 そんな"謎"を含めて、日本のスポーツ界全体を見ながら、コーチという存在について考えてみたいと思います。

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