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渋野日向子は最後も「笑けた」。
やっぱりシブコが令和最強のヒロイン (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「11番のロングでティーショットがバンカーに入って、セカンドはダフって、サードも左に引っかけて。パーで終わったあと、キャディーさんに『ボールを見ることを意識したほうがいい』と言われたんです。たしかに力が入りすぎて、ボールをしっかり見ていなかった。そこに集中して打ったのが、12番のベタピンでした」

 そして前述のとおり、13番でもスコアを伸ばした。だがその後、最終組のペ・ソンウが瞬く間にスコアを伸ばして、通算11アンダーとした。

 追う渋野は15番(パー4)でボギーを叩いて、事実上の終戦となり、賞金女王への道も途絶えた。

今季最終戦を2位タイで終えた渋野日向子今季最終戦を2位タイで終えた渋野日向子 しかし、崩れたままでは終わらず、最後は笑顔で締めくくるのが、渋野だ。18番(パー4)のティーショットは「今日イチだった」というロングドライブとなり、「ダフって乗せるのは、今日の私を象徴していて、笑けました」と言う第2打は、ピン横2.5mに。

「最後、入ったら気持ちよく終われるんだろうなと思ったし、あそこまで寄ったなら、『決めたい』という気持ちが強かった。スッキリする終わり方でした。入った瞬間は、安堵! いや、笑いしか出なかったですね」

 逆転賞金女王はならなかったものの、賞金ランキングは申ジエを抜いて2位となった。

「(賞金女王を逃した)悔しさはないです。(賞金ランキング)2位という結果は、神様が『この一年間、よくがんばったね』というご褒美を与えてくれたのかもしれないし、『まだ1位になるのは早い』という試練を与えてくれたのかな、とも思います」

 国内でメジャーを含む4勝を挙げ、海外メジャーの全英女子オープン制覇によって国民のヒロインとなった。シード権取得を目標にしていたシーズン当初からすれば、想像だにしなかった、飛躍のシーズンとなった。

「今年1年を漢字一文字で? うーん、『謎』。いろんな意味で謎です(笑)」

  シブコ節のあとは、1年の激闘を支えた"チームシブコ"への感謝の言葉を口にした。

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