【木村和久連載】死んでも「シニアティー」からは打たないぞ! (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それ以前は、女性ゴルファーそのものが少なく、需要がなかったのもあるでしょう。私が以前に会員だった鶴舞カントリー倶楽部でも、ミレニアムのちょっと前の頃、女子ティーを新設する工事をしていましたね。

 今の時代、レディースティーがないのは、パワハラですよ。そういえば、女性の入会を認めていないコースもありましたね。あれは何ですか? 相撲の土俵と勘違いしているんですかね。

 女性専用のハンディキャップやコースレートができたのも、およそ20年前です。昔の月例競技や理事長杯は男女混合で、全長6700ヤードぐらいのコースを、女子も一緒にラウンドしていました。

 これは、今思うと異常な光景です。ドライバーの飛距離200ヤード未満の女性が、全長6700ヤードのコースをラウンドするって、もはや苦行、いじめです。

 だって、現在の女子プロトーナメントですら、全長6200~6600ヤードぐらいのコースで行なわれています。6700ヤード超えのコースで戦うなんて、年に1、2回あるかどうかです。

 それなのに、なんでアマチュアの女子がプロよりも長いコースでやらなければいけないのか? 不思議でしょうがありませんでした。

 さて、いよいよ本題はここからぁ~。

 問題は、シニアティーの存在と、その使われ方です。

 ゴルフ場では、飛距離の落ちたシニアのためにシニアティーを設けているにもかかわらず、そのシニアティーでラウンドしているジイさんを見たことがありません。いったい、これはどういうことでしょう?

 さまざまな理由がありますが、一番の原因は「年寄り扱いされるのが嫌だから」でしょう。

 今や、名門クラブや古いゴルフ場のメンバーの平均年齢は、60歳近くになっています。ということは、ゴルフ界では60歳が若造、70歳で普通のオヤジ、80歳でようやく先輩です。だから、60歳でシニアティーを使うなんて、ありえないのです。

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