号泣したバッバ・ワトソン。
苦難を越えて復活、マスターズのV候補へ (3ページ目)
今回、久しぶりの勝利を飾ったワトソンは、ある言葉を繰り返した。
You never know......(何が起こるかわからない)。
「人には何が起こるかわからない。僕はもう2度と勝つことができないかもしれないし、これから100勝するかもしれない。例えば、ビル・ハース(アメリカ)のように、突然の惨事に見舞われるかもしれない。本当に、この勝利が僕にとっての最後になるかもしれない。明日、何が起こるかなんて、誰にもわからないことなんだ」
今大会直前、コース近くで交通事故に巻き込まれたハース。本人は無事だったものの、乗っていた車のドライバーを亡くす悲劇もあって大会出場を棄権した。ワトソンはそんなハースに対しても想いを馳せながら、自らの現状を改めて見つめ直していた。
かつて「ツアー10勝を挙げたら、引退する」と公言していたワトソン。しかし、苦悩のときを経て、今やそうした考えはさらさらない。
「まさか僕がこのPGAツアーで10勝を挙げられるなんて、夢にも思っていなかったからね。10勝は、僕にとって"殿堂入り"と同じくらいの価値がある。
今回のこの勝利によって、2年シードを得た。だから、あと2年はがんばるよ。そして、マスターズには(委員会のメンバーから)追い出されるまで、ずっと出場するつもりだ」
世界ランキングは117位から40位に上昇。2012年、2014年と2度の勝利を飾っているマスターズでも、一躍優勝候補へと浮上した。
何が起こるかわからない――この4月、ワトソンがマスターズで3度目の栄冠を手にしても不思議ではない。
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