【木村和久連載】思い切ったルール簡易化は、日本のゴルフ界を救うか (5ページ目)
ゴルフのルールは綺麗事を言っていますが、裏を返せば、それは政治的な戦争および経済戦争なわけです。
スポーツの政治的な思惑と言えば、例えば柔道があります。ルール改正によって、なぜかつかみにくい柔道着が採用され、日本人選手が不利になるように変わったりします。
裏取りはできませんが、組織のトップに立った者たちが、自国の利益になるようなルールを強く推し進めているのです。
ゴルフで言えば、欧米選手が勝てるセッティングやルールになっていますよね。世界の女子ゴルフ界のことを言えば、アジアの選手たちがこのまま台頭し続ければ、組織のトップを牛耳る英米が「面白くない」と思って、何らかのアクションが起こることも予想されます。
一方、経済戦争で言えば、どういうギアを使う(採用する)かによって、どこかの企業に莫大な利益をもたらします。
ゴルフマーケットは、アマチュアなんですよ。トッププロがなんぼ使っても、アマチュアが何百万本も買ってくれないと、商売にはならないわけです。そこで、日本主導で高反発クラブをバカスカ発売するってことは、"本家"にとっては非常に面白くないわけです。
日本のゴルフ界の発展は、日本のゴルフ界の幹部連中が、今後のことをどう考え、どう動くかがカギです。今、それを試されているような気がしてなりません。
木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。
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