今年は松山英樹が刻むか。全英OP、ロイヤルバークデールの「伝説」 (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 1976年大会では、ジョニー・ミラー(アメリカ)が2位に6打差をつけて圧勝した。そのとき2位に入ったのは、まだ無名だったセベ・バレステロス(スペイン)と、「帝王」ジャック・ニクラウス(アメリカ)だった。

 当時19歳だったバレステロス。その登場は鮮烈だった。3日目の17番でイーグルを奪うと、ミラーから2打差のリードを奪って最終日を首位で迎えたのだ。しかし、若くて粗削りなプレーが目立ったバレステロスは、最終日に大きく崩れた。6番でダブルボギー、11番でトリプルボギーを喫するなどして、ミラーに逆転を許してしまった。

 それでも、スペインの"新星"が第一歩を刻んだ舞台として、この大会は全英オープンの歴史のひとつに刻まれている。現に優勝したミラーは、のちにこう振り返っている。

「あの勝利は、私の生涯でもとても大きなものだった。しかしそれ以上に、セベが世界に知られる大きな戦いだったと思う」

 ミラーが続ける。

「決勝の2日間、セベと一緒にプレーをした。彼の存在は知らなかったし、私たちは(プレー中も)あまり話さなかったけれど、セベのあのあふれんばかりのパワフルなプレーを目の当たりにしたことは、今でも忘れられない」

 その後、バレステロスはスペインゴルフ界をけん引し、欧州ツアーを席巻した。全英オープンも3年後の1979年大会に初優勝を遂げた(1984年、1988年と通算3勝)。1980年と1983年にはマスターズも制し、世界ランキング1位の座にも就いたが、1990年代に入ると徐々に低迷。長いスランプに陥って、2000年代の中頃には第一線から退いた。そして2011年、脳腫瘍のため、54歳の若さでこの世を去った。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る