【木村和久連載】「バックティーから打とう」と誘うのはパワハラです (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 最近は、ゴルフ場の距離も長くなって、全長7000ヤード超えというコースもザラにあります。でも、そうしたコースでドライバーの飛距離220ヤード程度の人がラウンドするのは無謀ですよ。まったく楽しくないし、お金を排水溝に捨てるようなものです。

 それでは、なんでアマチュアがバックティーからラウンドする"信仰"が起きたのか? 

 昔は、プロとアマの飛距離の差がさほどなかったからです。ジャック・ニクラウスが全盛の時代は、プロの飛距離はおよそ260ヤードでした。一方、アマチュアは220ヤードと、今とあまり変わらなかったんです。

 ゆえに、当時は「がんばれば、プロに追いつける」と思うようになって、プロと同じバックティーでプレーしようという"信奉者"がたくさん出てきたわけです。

 また、女子プロになると、アマチュアと飛距離は変わりませんからね。女子とはいえ、「プロより飛ぶ」という優越感に浸りたい気持ちが、飛ばし屋さんの気持ちを一層たかぶらせたのかもしれません。

 実際、私も飛ばない女子プロとラウンドしたことが何回かありますが、こっちがプロより飛ぶって痛快ですよ。でも、スコアはいつも10打差ぐらいの差をつけられて負けていましたが......。

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