【木村和久連載】推奨、アマチュアはディボット跡から打つべからず (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 あるゴルフ場では、暇なときにキャディーさんが総出で目土をするそうです。その頼みの綱のキャディーさんも、最近は数が減少中。そういうときは、シルバー人材センターから、時給500円ほどで目土のバイトを頼む場合があるそうです。目土をするのと、しないのとでは、芝生の戻りのスピードが全然違うらしいですから。

 というわけで、個人的にはディボット跡の上からは、あまり打ちたくないのです。昔の漫画で、ボールに蟻がまとわりついて、それを避けようとしたら、「ペナルティーを取られるぞ」と指摘され、泣く泣く蟻ごとボールを打った、なんてシーンがありました。それに近い感覚でしょうか。「今、痛んだ芝を養生しているの。そっとしてね」と訴えてきている芝生を、バシーンと打つわけですから。気持ちのいいもんじゃないです。

 また、以下のような、別の考え方もあります。

 かつて、長期取材でプロコーチに教わったときがありました。研修会ではプロ候補と何回もラウンドしました。その中には、のちに有名になった選手もいます。その研修会で、ディボット跡にボールが入ったら、コーチはボールを拾って、「芝生に置いて打て」というのです。

 理由を聞いたら、「フェアウェーから打っても、ろくなショットができないのに、ディボット跡から打つなんて、スイングが乱れるだけだ」というのです。

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