5度目のマスターズ。松山英樹に望むのは「穏やかなスタート」 (2ページ目)
中嶋常幸がかつて、「マスターズは、国立劇場。全米オープンは、国立競技場」と表現したように、マスターズでは選手が劇場の舞台で演じる役者であり、ギャラリーがその舞台を見つめる観客。いわゆる"劇場内"の観客の熱気や歓声は、時に怪物のように増幅して、他のトーナメントでは経験できない空気感に包まれる。
選手たちはそこで、自分がどうしたら"主役"(トーナメントリーダー、優勝者)になれるか、という戦いを強いられる。歴戦のプロでも、決して平常心を保ってはいられない。
松山がその舞台に臨むのは、今年で5回目となる。記録によると、マスターズ初出場から優勝までの平均年数は、8.25年。重複した選手を除くと、平均5~6年である。
「自分の状態が少しずつ上がってきているんで、そこがそういう(優勝への期待の)気持ちにさせているんだと思う。それを、うまくスコアにつなげられたらいいんですけど、なかなかうまくつなげられるとは思わないんですよね。まあ、焦らずにやれたらいいなと思う。それは、人それぞれだと思いますし、過度に(期待して懸命に)やっていい感じになる人もいれば、逆にそうならないほうがいい人もいる。それは、自分のペースだと思う。僕は(ここまで)僕なりのペースでできていると思う」
そう穏やかに話した松山。優勝へ向かっていくゲームの条件については、こう語った。
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