【木村和久連載】「100」を切らずして、ゴルフをやめるなかれ

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第47回

 みなさん、ゴルフをやめたくなったことはないですか?

 ルー大柴的に言うと「やぶからスティックに、何を言っとるんだ!」と憤慨する方もいるでしょう。けれど、長いゴルフ人生で、あり得ない大叩きをしたり、あるいは大事な試合で大恥をかいたり、はたまたコースで大喧嘩したりして、"心が折れそう"になったことが、誰でもあると思うんです。そこで、ふと「自分は、ゴルフに向いていないのかなぁ~」と思ったりもしますよね。

 私も、やめはしませんでしたが、しばらく「休もう」と思ったことがあります。それは、20年前ぐらいのこと。パブリック選手権の予選に出場したときでした。

 練習ラウンドでは、なぜか絶好調で80台をマーク。予選突破ライン(おおよそスコア75ぐらい)まではいかなくても、80台前半ぐらいは出せそうだな、と意気込んでいました。ところが、いざふたを開けてみると、やることなすことすべてが裏目に出て、失意の「100」超えです。

「100」は今でも叩きますが、よりによって大事な試合で出すことないんじゃないの......。しかも、ご丁寧に名前とスコアが書かれた順位表が、クラブハウスに張り出されるのがむご過ぎです......。辛うじてビリは免れ、木村家末代までの恥にならずひと安心......って、小さい男ですみませんね。

 もはや、どこのコースだったか忘れましたが、帰り際に見た桜吹雪が、私の心情を如実に物語っていました。「桜とともに散ろうか」――茫然自失のまま家に帰り、しばらく何もやる気が起きませんでした。

ゴルフをやっていれば一度や二度、心が折れそうになったことはあると思いますが......ゴルフをやっていれば一度や二度、心が折れそうになったことはあると思いますが...... 実際問題、ゴルフほど途中リタイヤが多いスポーツはないのです。知り合いでも、「あの人、最近見ないな」というケースがちらほらあります。

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