4度目のマスターズ。松山英樹には最も「つらい大会」になる!? (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 まず重要なのは、初日と2日目。どうしてもイケイケになって、ひとつでも多く攻めていきたい気分になるが、その気持ちを自分でどうコントロールして抑えられるか、だ。

 例えば、初日に「66」とか「67」とか、好スコアを出す選手が必ずいるが、それに惑わされないこと。1日2アンダー、「70」で回れば、4日間で通算8アンダーと、十分に優勝圏内となる。とにかく、初日、2日目というのは無理をしないで、丁寧に、丁寧に回ることが求められる。

 そして、初日はもちろんのこと、最初の3ホールをどれだけ無難にスタートするか。できれば、1番(パー4)でパー、2番(パー5)でバーディー、3番(パー4)でパーというのが理想だ。

 そのうちどこかでスコアを落とすと、後々、その1ストロークがボディーブローのように効いてくるのが、オーガスタ。たかが1ストロークだが、それによって思わぬ落とし穴にはまってしまうのが、マスターズである。その悪循環から逃れるためにも、最初の3ホールはスムーズに乗り切っていきたい。

 あとは、テンションを上げ過ぎないこと。大事なのは、技量とメンタルのバランスをどうとるか。そのためにも、できればプレッシャーは半減させたい。今回に限っては言えば、自らが持つマスターズへの強い思い、「優勝したい」という気持ちをどれだけ抑えられるか、ということもひとつのテーマになるかもしれない。

 マスターズで結果を出せるのは、技量とメンタルが程よく噛み合う、出場4~8回目くらいの選手だと言われる。つまり、松山にも勝つチャンスは十分にあるが、はたして松山はマスターズの“魔力”を振り払えるのか。すべては、そこにかかっている。

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