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【ゴルフ】盟友・宮里藍が歓迎する、横峯さくらの「挑戦」

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

3月特集 アスリートの春 ~卒業、そして新天地へ~(10)

 フロリダ州で開催されたコーツ選手権(1月28日~31日)から幕を開けた今季の米女子ツアー。その後、バハマ、オーストラリア、アジア各国を転戦し、3月に入って再び開催地が米本土に戻ってきた。その一戦は、アリゾナ州フェニックスで行なわれた、ファウンダーズカップ(3月19日~22日/アリゾナ州)だった。

今季から戦いの舞台をアメリカに移した横峯さくら。今季から戦いの舞台をアメリカに移した横峯さくら。 そしてこの舞台に、今季から米女子ツアー参戦を果たした横峯さくら(29歳)と、宮里藍(29歳)がそろって登場した。1985年生まれの横峯と宮里――。今や盛況を極める日本女子ツアーだが、その人気の礎(いしずえ)を築いたのは、間違いなくこのふたりである。そんなふたりがまさか米女子ツアーで一緒に戦う日が来るとは......その姿を目の当たりにしたとき、感慨深い思いが込み上げてきた。

 そもそもプロ入り後、早々に米ツアーを主戦場とした宮里と違って、横峯は海外志向が薄かった。メジャー大会など単発で米ツアーに出場することはあっても、積極的に海外に出て行こうとはしていなかった。それで周囲も「(横峯は)外国嫌い」と見ていた。

 ゆえに昨秋、日本ツアーに参加していた宮里は、横峯からこっそりと米ツアー挑戦について打ち明けられると、驚きを隠せなかったという。

「さくらが最初、『私、QT(米女子ツアーの最終予選会)を受けようかと思って......』と言ってきたときには、一瞬、何のことだがさっぱりわかりませんでしたから(笑)」

 自分の意志を表に出して、物事をテキパキと進めていく宮里に比べて、横峯は自らの思いを内面に秘め、どちらかというと、のんびりと構えている。人の前に出て、自分をアピールするタイプでもない。宮里が"動"なら、横峯は"静"と言える。だが、横峯のプロ生活もすでに10年の歳月が経過した。2004年にプロ入りしてから、ツアー通算23勝を挙げて、2009年には念願の賞金女王にも輝いた。日本で成すべきことをおおよそ遂げてきた今、横峯の気持ちが世界に向いてもおかしくない。30歳になる今年が、まさにその"時"だったのかもしれない。

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