【ゴルフ】完全復活、間近。原江里菜が手にした「武器」
2007年に日本女子ツアー参戦を果たした原江里菜。名門・東北高校出身で、ふたつ上の先輩には宮里藍が、同級生には有村智恵がいる彼女は、プロ1年目から実力の高さを存分に披露した。デビュー2戦目で単独2位に輝くなど、30試合に出場して7試合でベスト10フィニッシュ。ルーキーイヤーで賞金ランク19位という好成績を残して、見事シード権を獲得した。
2年目(2008年)は、さらに躍動した。安定したゴルフでコンスタントに結果を残し、8月のNEC軽井沢72では念願のツアー初優勝を飾った。常に上位争いに顔を出して、賞金ランクは10位に浮上。宮里藍、横峯さくららに続くスター選手として、同い年の有村とともに脚光を浴びた。
今季、安定したゴルフを見せている原江里菜。 だが、一層の飛躍が期待された3年目(2009年)、初戦のダイキンオーキッドレディス、3戦目のヤマハレディースで2位タイという好結果を出しながら、その後は連続して予選落ちを喫するなど、好不調の波が目立つようになった。最終的にはルーキーイヤーの7試合よりも多い、12試合(34試合出場)で予選落ち。賞金ランクも、有村が3位と大躍進する一方で、原は25位に止まった。
するとそのまま、原は下降線をたどっていった。有村が優勝を重ねてスター選手への階段を着実に上っていくのとは対照的に、2010年シーズンは32試合中20試合で予選落ちし、賞金ランクは82位まで急降下。ついにシード権まで失ってしまった。悪い流れは、QT(クォリファイングトーナメント)18位で何とか出場権を得た2011年シーズンも変わらなかった。10試合連続の予選落ちという屈辱まで味わって、原の姿は完全に表舞台から消えていった。
原がスランプに陥った原因は、スイングに悩んだことだった。プロ2年目で優勝し、「優勝した選手に見合った自分じゃなきゃいけない」と思って、結果ばかりを追いかけてしまったという。おかげで、自分のスイングを見失ってしまったのだ。
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