【ゴルフ】プレジデンツ杯、世界の一流が唸った松山英樹の資質

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 2年に一度開催される米国選抜と世界選抜(欧州国籍の選手を除く)とのチーム対抗戦、プレジデンツカップが10月3日から6日までミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)で開催された。大会は、米国選抜が通算18.5得点を挙げて、通算15.5得点の世界選抜を撃破。5大会連続8度目の勝利を飾った。

世界ランク2位のアダム・スコット(右)とペアを組んで戦った松山英樹(左)。世界ランク2位のアダム・スコット(右)とペアを組んで戦った松山英樹(左)。
 日本人選手で唯一世界選抜メンバーに選出され、その活躍が期待されていた"大物ルーキー"松山英樹は、フォアボール(2試合。各チームのペアふたりの良いスコアで競うマッチプレイ)、フォアサム(2試合。各チームのペアふたりがひとつのボールを交互に打って競うマッチプレイ)、シングルス(1試合。マッチプレイ)の全5試合に出場。1勝3敗1分けという結果に終わった。

 慣れないゲーム方式にうまく対応できなかった面もあっただろうが、チームの勝利に貢献できなかった松山は、不満の色を隠さなかった。

「(世界選抜キャプテンのニック・プライスには)『よくやった』と言われましたけど、(ペアを組んだ)アダム・スコットの足を引っ張りまくったので、自分の採点としては、50点もいっていない。それ以下です。結果的に負けが3つもついてしまったし、(試合では)楽しい思いはまったくできなかった。これが(今の自分の)実力。まだ、こういう舞台でやるのは早いんだな、と思いました。アダム・スコットは、決して調子は良くなかったけれども、その中ですごくいいプレイをしていた。改めて、レベルの差を感じた。特にショートゲーム。150ヤード以内の精度は、どの選手を見ても極めて高かった。自分のようなミスをしている選手はひとりもいなかった。そこは、練習していかなければいけないと思いました」

 とはいえ、初めて挑戦した栄えある舞台で、松山は随所に見せ場を作った。第1戦のフォアボールでは、最終18番のセカンドショットをピンハイ50cmにピタリ。バーディーを奪って、土壇場でオールスクエア(引き分け)とし、0.5ポイントをチームにもたらした。松山の奇跡的なショットには、世界選抜キャプテンのニック・プライスも手放しで称えた。

「ヒデキとアダムの終盤の戦いぶりは素晴らしかった。特に、ヒデキの18番の第2打は今日一番のショットだった。最高のチームプレイを見せてくれた」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る