【ゴルフ】松山英樹が進化する。プレジデンツカップ出場の「価値」

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 9月のフジサンケイクラシックで、早くもプロ入り3勝目を飾った"大物ルーキー"松山英樹。日本ツアーの獲得賞金はすでに1億円を突破し、賞金ランキング(海外メジャーを含む)のトップを独走している。

丸山茂樹(左)に見守られながら、練習ラウンドを消化する松山英樹(右)。丸山茂樹(左)に見守られながら、練習ラウンドを消化する松山英樹(右)。
 そんな松山は、世界水準で見ても"エリート・ルーキー"である。なにしろ、世界アマをはじめ、数々のアマチュアの国際大会に出場してきた。2010年、2011年には2年連続でアジア・アマを制し、自力でマスターズの出場切符を獲得。2011年の同大会ではローアマに輝いた。アマチュア世界ランキング1位の座にも就いて、松山世代から下の世界トップジュニアにとっては、誰もが目標とする存在だった。

 そして、プロ転向を果たした今年、海外メジャーでも奮闘。全米オープンで10位タイ、全英オープンで6位タイという素晴らしい結果を収めた。その後、米ツアーを転戦して全米プロでも19位タイの成績を残すなどして、わずか7試合の出場で来季の米ツアーシード権まで手にした。世界的に注目されていた"エリート"は、まさにその期待どおりの活躍をルーキーイヤーで見せたのだ。

 さらに松山は、現地10月3日~6日まで開催されるプレジデンツカップに参戦(会場はミュアフィールドビレッジGC/オハイオ州)。世界選抜チームのメンバーとして、彼にかかる期待はかなりのものがある。

 松山が挑むプレジデンツカップは、米国選抜vs世界選抜(欧州国籍の選手を除く)によるチーム対抗戦。1994年に第1回大会が開催され、以来、米国選抜vs欧州選抜の対抗戦であるライダーカップと交互に、2年に1回行なわれている。過去に日本人選手は、渡辺司(1994年)、尾崎将司(1996年)、尾崎直道(1998年)、丸山茂樹(1998年、2000年)、石川遼(2009年、2011年)が出場している。
※2001年に開催予定だったライダーカップが、アメリカ同時多発テロ事件の影響で2002年に順延。それを受けて、プレジデンツカップも2002年大会を2003年に延期。以降、奇数年に行なわれるようになった。

 プレジデンツカップの名のとおり、米国選抜チームのキャプテンは、大会前に必ず大統領を表敬訪問し、開催パーティーにはゴルフ好きで知られるクリントン元大統領が出席するなど、非常に権威のある大会だ。したがって、米国選抜チームはその威信にかけても負けられない。実際、過去9大会の戦績は7勝1分け1敗と米国選抜が圧倒している。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る