【女子ゴルフ】国内メジャー第1弾、注目は急成長中の「藍・チルドレン」 (2ページ目)
確かに、シーズン序盤から若い力が台頭した。目覚しい躍進を見せたのは、女子ゴルフ界に新風を巻き込んだ宮里藍、横峯ら「第1世代(1985年~1987年生まれ)」に続く、「第2世代(1988年~1990年生まれ)」の選手たちだった。プロ入り当初は「第1世代」や韓国勢の高い壁に打ちのめされてきたが、その間、着々と蓄えてきた実力を今季ついに爆発させたのだ。
開幕戦のダイキンオーキッドレディスでは、森田理香子、木戸愛らが優勝争いを演じて、最終的には「第1世代」の横峯とのプレーオフを森田が制した。森田はその後、開幕から4週連続ベスト3フィニッシュを果たすなど、日本女子屈指の飛距離を武器にしたスケールの大きなゴルフが完全に開花。今季の賞金女王の最有力候補に挙げられている。
また、第3戦のTポイントレディスでは、一ノ瀬優希がツアー初優勝を飾った。他にも、菊地絵理香、金田久美子、服部真夕、藤本麻子らが各トーナメントで奮闘し、先のサイバーエージェントレディスでも、櫻井有希(2位T)、若林舞衣子(2位T)、大江香織(9位T)の3人がトップ10フィニッシュ。「第2世代」が今季ツアーの中心にいることは間違いなく、彼女たちの中からメジャーチャンピオンが誕生しても何ら不思議はない。
ところが、「第2世代」の飛躍だけにとどまらないのが、今年の女子ツアーが「百花繚乱」と騒がれるゆえん。「第2世代」のさらに次の世代となる「第3世代(1991年~1993年生まれ)」が、急速な勢いで頭角を現した。第4戦のアクサレディスで堀奈津佳が、続く5戦目のヤマハレディースでは比嘉真美子が、初のツアー優勝を成し遂げたのだ。
彼女たちは、ツアー本格参戦1、2年目ながら、堂々たるプレイを披露。精度の高いゴルフでファンを魅了している。そうした「第3世代」の快進撃について、森口プロはこう語る。
「(結果を出している)20歳前後の選手たちは皆、ジュニアのナショナルチームのメンバーだったりして、アマチュア時代から強かった。もともと素材が良くて、ショットの安定感があり、基本的なスイングがきちんと身についている世代なんです。加えて、世界のコースや大会でも戦った経験のある子たちなので、どんな状況を迎えても慌てずに戦えています。年齢は若いけれども、精神的にも、技術的にも、優れている。だから『なんで、あんな子が勝てるんだろう』という意外性はありません。しっかり(優勝するための)準備ができている選手ばかりで『やっぱり勝ったな』という印象です。それぐらい、この世代の選手のレベルは高い」
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