【女子ゴルフ】米メジャー第1弾、奇跡を予感させるW宮里と有村の明るさ (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 さらに今年は、これまでなかったセカンドラフという、新たなセッティングがグリーン周りに追加された。
「(アプローチでは)微妙なフィーリングの出し方が難しい」と、一段とハードになったグリーン周りの攻略に、宮里藍は頭を悩まされることになる。

 それでも、宮里藍からは悲観ムードは漂ってこない。なにしろ今季は、自身の開幕戦だったホンダ LPGAタイランド(タイ)を終えたあと、移動中に交通事故に巻き込まれて肩と首を強打。翌週は試合を欠場せざるを得ない状況に陥ったが、幸いにして大事に至らずに済んだからだ。「ゴルフができることが本当にうれしい」と宮里は目を輝かせる。

 復帰戦のRRドネリー・ファウンダーズ・カップ(3月14日〜17日)では、初日からトップに立って、最後まで優勝争いを演じた。最終的には2位で終わったものの、今年も強い宮里が健在であることを周囲に印象づけた。

「今週はメジャーだけど、普段のトーナメントと気持ちは変わりません。過去に何度も経験している大会だし、やるべきことはわかっています」と、落ち着いた口調で静かな闘志を燃やしていた宮里藍。苦手コースとはいえ、今の彼女なら奇跡を起こしても不思議はない。

 春先に不調だった昨年は予選落ちを喫したものの、一昨年は7位と健闘した宮里美香も、メジャー制覇の期待がかかるひとりだ。

 今季は契約クラブを変えたこともあって、ここまで調子がなかなか上がってこなかったが、日曜日にコース入りすると、3日間連続で練習ラウンドを消化。宮里美香は新たなクラブにも手応えをつかみ、上位進出への意気込みを見せた。

「ショットは悪くないです。ようやく新しいクラブにも慣れました。ドライバーはシャフトを変えて、スイングも自分のモノになってきた。アイアンはすごく良くて、球が上がりやすい。それが、最大の武器になると思う」

 W宮里同様、メジャー制覇に意欲を見せるのは、今年から米ツアーに本格参戦を果たした有村智恵だ。当初、有村は今大会の出場資格を持っていなかった。しかし、直前のキア・クラシック(3月21日~24日)終了時点で、今季の賞金ランキングで有資格者を除く10位以内に入ること、という条件をクリア。

「今まで、こんなにドキドキ、ハラハラしたことがなかったです(笑)。だから、この大会に出られて本当にうれしい」と、条件ぎりぎりの9位で出場権を獲得し、満面の笑みを見せる。

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