【ゴルフ】チェ・ナヨンを進化させた、たった1つのアドバイス (3ページ目)
極限の緊張状態でも、無意識にそうしたセルフコントロールができるようにするためには、反復練習しかありません。
まずは "待つ"ことから始め、自分に自信が持てる瞬間の到来を覚えて、迷わず打つ。それをひたらす繰り返すことで、ナヨンもパッティングの不安を解消していきました。韓国選手たちの集中力の高さは、そういったセルフコントロールを養うための訓練を、若い頃から徹底的に受けているためだと思います。
一般ゴルファーの方も、やり方次第でセルフコントロール力を高めることできます。練習場では質より量を重視し、数多く打ち込むことが上達への近道だと錯覚しがちですが、闇雲に量をこなせばうまくなるほど、ゴルフは単純ではありません。集中力を高め、自信を持てたときに打つ。この繰り返しこそが、上達や技術習得への近道なのです。
極端な話、一日ワンショットでもいいんですよ。自分に自信が持てるまで待ち、良いイメージやショットへの確信を持てた瞬間にクラブやパターを打ってみてください。ミスショットしたら、再び自信が持てるまで待てばいい。その繰り返しの中できっと、自分だけの確かな手応えをつかむことができるでしょう。
(つづく)
キム・ジョンイル(金 鍾一)
1969年1月10日生まれ。2006年からKGA(韓国ゴルフ協会)国家代表・代表常備軍のコーチングスタッフとなり、2008年から2011年までは女子代表首席コーチを務める。2010年アジア大会では個人・団体の金メダル、2010年世界選手権でも個人・団体で金2、銅1のメダル獲得へ代表チームを導いた。その功績をたたえられ、2011年には韓国の体育勲章である『巨像章(コサンジャン)』を授与される。2011年KGA功労賞も受賞。
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