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グアルディオラ監督が10シーズンをもってマンチェスター・シティの監督を退任。その計り知れない影響力がもたらしたものとは? (2ページ目)

  • ジョン・ブルーウィン●文 text by John Brewin 井川洋一●翻訳・構成 translation by Yoichi Igawa

【宿敵クロップとの間には友情も】

 この時、さすがにグアルディオラ監督でも、イングランドのスタイルに合わせていくことになるかとも思われたが、結果的に、逆にイングランドがこのカタルーニャ出身の類稀な戦術家の思想に染まっていった。3年目には首位を独走したまま、最後に勝ち点100に到達して優勝。19ポイント差の2位に入ったマンチェスター・ユナイテッドを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督は、のちにこう発言している。

「(2017-18シーズンのプレミアリーグで)マンチェスター・ユナイテッドを2位で終わらせることができたのは、自分のキャリアで最高の仕事のひとつだと捉えている」

 ライバルにも恵まれた。元レアル・マドリーのモウリーニョとはスペイン時代から不仲だと言われていたが、プレミアリーグで一時期、2強時代を共につくった元リバプールのユルゲン・クロップ監督とは、互いを認め合うよき宿敵関係にあった。

 2017-18シーズンから7年間、2019-20シーズンのリバプールだけがシティの優勝を阻むことができた。また翌2020-21シーズンには、シティとリバプールは勝ち点98と97のハイレベルな競り合いを演じている。プレミアリーグのトップで長年にわたってライバル関係にあった点では、1990年代から2000年代のユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督とアーセナルのアーセン・ベンゲル監督とも似ているが、グアルディオラとクロップの間にある友情はなかった。クロップは最近、グアルディオラ監督がシティを離れることを表明すると、自身の持つマジョルカ島の豪華な別荘に彼を招待したという。

「ユルゲンは私に多くのものを与えてくれた。彼と争った日々が懐かしいよ」と昨年、グアルディオラ監督はこぼした。「あの頃は、(クロップという)極めて優秀な指導者が作るリバプールに勝つために、自分も最大限の努力をし、大きく成長できた」

 その言葉通り、グアルディオラは成長、いや進歩を止めなかった。サイドバックが中盤に入る動きはもちろん、センターバックも中盤に上がるようになり、偽の9番から本格派のストライカーの有効活用まで、改良を重ねた。それらは実に多くの同業者が模倣するようになり、最近ではイングランド代表がウェンブリーで日本に0-1で敗れた試合で、トーマス・トゥヘル監督が採用している(まったく機能しなかったが)。

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