毎度お騒がせワールドカップのチケット販売の変遷 申込用紙での簡単購入から複雑に変化 (4ページ目)
【チケットを巡るトラブル、問題は絶えず】
流れが変わったのが、史上初めて入場者数が300万人を越えた1994年のアメリカ大会だった。
どの試合も、巨大なスタジアムが満員となった。まだ、サッカー人気が根づいていなかった時代だが、アメリカ人はW杯というイベントを見に来たのだ。
そして、その後はワイドボディ機の普及や格安航空会社(LCC)の登場で航空料金が下がったこともあって、国外から大勢のサポーターがやって来るようになっていく。
日本が初出場した1998年のフランス大会は、世界中から多数の観客が集まった最初の大会であり、日本からも万単位の人たちがフランスに渡った。
その結果、入場券が不足し、販売を巡って様々な不正がはびこって多くの日本人サポーターが巻き込まれる事態となった。
その後も、入場券販売を巡るトラブルが続いたが、2010年代になるとネットを使って、個人が希望の入場券を購入できるようなシステムが使われるようになった。ただし、入場券不足という状況下で入手は困難になり、2026年大会ではFIFAが入場券価格を高額化し、さらにリセール販売でもFIFAに多額の手数料が入る仕組みまで導入。
1974年にFIFA会長に就任したアヴェランジェや、1998年以降その後継者として2015年までFIFAに君臨したゼップ・ブラッターは「商業主義」と批判されたものだが、現在のインファンティーノ会長体制の"金儲け第一主義"に比べたら天使のような存在にさえ思えてくる。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。
【画像】FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー
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