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レアル・マドリードをひとりで勝たせるフェデリコ・バルベルデ! チームのために何でもする選手はハットトリックもやってのける (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【バルベルデの走力が決めた試合】

 レアル・マドリードの先制点は20分。GKティボー・クルトワのロングパスが右サイドのバルベルデへ。シティの左サイドバック(SB)ニコ・オライリーが戻ってきて対峙しようとした瞬間、バルベルデはワンタッチで大きくボールを放り出し、オライリーを置き去りにする。飛び出したGKジャンルイジ・ドンナルンマを"裏街道"でかわして無人のゴールへ流し込んだ。

 182センチのバルベルデはそんなに速く見えないが、大きなストライドでの加速がすばらしく、かつては右ウイングとしても活躍している。追いかけてきたオライリーが止まりかけた瞬間にワンタッチコントロールで一気に加速するタイミングが抜群だった。

 2点目は27分、カウンターからヴィニシウス・ジュニオールのパスを受けて左足でファーポストへきっちり収めるシュート。ヴィニシウスのパスはDFに当たってコースが変わっていたが、バルベルデは落ちついて左側へボールを持ち出しながら、体をひねってファーサイドへ蹴り込んだ。

 守備では右SBトレント・アレクサンダー=アーノルドのサポート、あるいは右SBのポジションまで戻り、攻撃では最前線へ駆け上がる運動量が凄まじい。

 42分の3点目はブラヒム・ディアスの小さなロブで抜け出し、カバーにきたマーク・グエイの頭上にボールを浮かせて入れ替わる"シャペウ"からのシュート。ディアスの掬い上げるパスも見事だったが、バルベルデの個人技が圧巻だった。

 レアル・マドリードはヴィニシウスとブラヒム・ディアスの2トップだが、攻撃ではヴィニシウスが得意の左サイドへ開く。そこで空いている右サイドで幅をとるのはバルベルデの役割になっていた。守備にはほぼ参加せず、左へ流れてパスを待っているヴィニシウスと違い、バルベルデはSBから前線まで動き続けていたわけだが、この動きのスケールと走力にシティがついていけなかった。バルベルデの走力が決めた試合と言えるかもしれない。

 終了の笛が吹かれた時、バルベルデはまるで敗者のように座り込んでいたのが印象的だった。

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