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ジダンは就任要請に「ノー」 監督交代だけでは解決できないレアル・マドリードの危機 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

 人々はヴィニシウス・ジュニオールがアロンソを追い出したと噂したが、真実は、アロンソと、ヴィニシウス、エムバペ、ロドリゴ、エンドリッキを含む選手たちとの大きな断絶、そしてバランスを見失ったマネジメントの問題だった。

 アロンソ辞任の公式発表前、ペレスは長年夢見てきた道を探ろうとしている。次期監督にジネディーヌ・ジダンを据える、というものだ。実際、ジダンとの接触も少し前から始めていた。

 この時、ジダンはアフリカネーションズカップのためモロッコにいた。アルジェリア代表GKである息子のルカ・ジダンを見るためだ。父として試合を見守りながら、ジダンは考え、そして自らが3度CLを制したクラブに「ノー」と答えた。

 このチームはジダンのチームではなかった。多くは、ジダンなら選ばない選手たちだった。しかもシーズン途中で大規模補強もできない。ルカ・モドリッチの退団により、中盤の指導者がいなくなったことをジダンは理解していた。今、受諾すれば、他人が作ったチームで戦うことになるし、ワールドカップ後にフランス代表の監督になるという可能性の扉も閉ざすことになる。

 ジダンは「待つ」ことを選んだ。

 クラブは最終的にアルバロ・アルベロアに指揮を託すことにする。元レアル・マドリードの選手で、セカンドチームであるカスティージャを率いていた監督だ。つまり、これは内々の一時的な解決策で、彼はただベンチを「温める」だけの存在だ。アルベロア自身もそれを理解している。

 アルベロアは監督の座に就いた最初のインタビューで、すぐにロッカールームへ向けて、特にヴィニシウスへ明確なメッセージを送った。

「ヴィニシウス・ジュニオールがピッチで踊り、楽しむ姿を見るのが楽しみだ」

 それは、アロンソ路線の完全な否定だった。

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