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レアル・マドリード監督解任劇の舞台裏 シャビ・アロンソは権力がどこにあるかを見失っていた

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

レアル・マドリード監督解任の舞台裏(前)

 この2年間、レアル・マドリードほど移籍市場で金を使ったクラブはないだろう。しかし今、その世界最高のチームが危機に直面している。無冠に終わる屈辱の1年になることをサポーターたちは危惧している。

 そんななか、監督のシャビ・アロンソが解任された。誰もがその理由を、ふるわない成績に求めている。だが、順位表だけを見ていても、クラブ内部で本当に起きている真実は見えてこない。

 公式発表によると、辞任は「クラブと監督の合意のうえ」とされているが、現実はまったく違う。アロンソは、サウジアラビアで行なわれたスペインスーパーカップの準決勝と決勝を終え、チームが帰国するその飛行機のなかで、自身の解任を初めて知った。

スペインスーパーカップを最後にレアル・マドリードの監督を解任されたシャビ・アロンソ photo by AFLOスペインスーパーカップを最後にレアル・マドリードの監督を解任されたシャビ・アロンソ photo by AFLO その背景にあるのは、ある特定の試合の結果ではない。スペインスーパーカップでバルセロナに敗れたからではない。解任を正当化するような敗戦なども存在しない。

 そこにあるのは、数カ月にわたり続いてきたパワーゲームの結果だ。それは沈黙のなかで絶え間なく続く戦争だ。密室での会合、個人的な電話、そしてもはや修復不可能な関係......。アロンソには、もはやクラブ内に居場所がなかった。フロントの支持はなく、サポーターの支えもなく、メディアの後押しもない。そして何よりも、彼は選手たちから本当の意味で愛されていなかった。

 レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は、チームを委ねる人物として、自らアロンソを選んだ。それは彼のレバークーゼンでの活躍を見てのことだ。アロンソは降格圏内にいたチームを立て直し、多くの結果を勝ち取った。無敗でブンデスリーガを制し、ドイツカップも制覇。ヨーロッパのモデルとなるようなチームを作り上げた。その方法は秩序、激しさ、そして完全なコントロールだった。

 カルロ・アンチェロッティの後任となる「重みのある監督」をなかなか見つけられずにいたペレスは、ドイツですべてを勝ち取った若者が、かつてレアル・マドリードでプレーしていたことを思い出す。ペレスは、その「ドイツ式メソッド」がレアル・マドリードを再び頂点に戻すと考えた。

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