【FIFAワールドカップ】レアル・マドリードのブラヒム・ディアスが絶好調 アフリカ頂点を目指すモロッコ代表を牽引するエースに (3ページ目)
【技巧的かつ組織的なチームを象徴するエース】
マラガのユースからマンチェスター・シティへ移籍してプロデビュー、さらにレアル・マドリードに移籍。ミランへの貸し出しでは10番を背負って活躍し、昨季からレアル・マドリードへ復帰している。所属クラブを見てもディアスの価値が知れるわけだが、必ずしも順調なキャリアではない。
シティでのユース時代はジェイドン・サンチョ、フィル・フォーデンとともに将来を嘱望されていたが、トップチームでは層の厚さに阻まれてほとんど出場機会がなかった。次のレアル・マドリードでもプレー機会は与えられず。貸し出し先のミランでの活躍でレアル・マドリードに戻り、ようやく出場機会が増えてきたものの、キリアン・エンバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ、フランコ・マスタントゥオーノ、ゴンサロ・ガルシアのいるFW陣のなかでレギュラーポジションを得るには至っていない。
モロッコ代表は、はじめて絶対的なエースとして認められたチームなのだ。
5試合連続得点に表われているように、ディアスは替えのきかない存在だが、厳しい競争で揉まれてきたせいか、守備でもまったく手抜きがない。その点で、技巧的かつ組織的な現在のモロッコを象徴する選手となっている。
隙のないモロッコの守備だが、まったく弱点がないわけではない。
攻撃でカウンターになった時は一気に複数がゴール前へ殺到していく。そのスピード感と迫力はモロッコの良さなのだが、ボールを奪われた時に中盤に大きなスペースが空いてしまうのだ。
しかし、その弱点もすぐに打ち消している。前進した選手たちの戻りがとても速いからで、ディアスはそこでの貢献度も高い。
日本代表が北中米W杯グループFを1位または2位で通過すると、ラウンド32で当たるのはブラジルかモロッコになる可能性が高い。日本は強化試合でブラジルに勝っているが、モロッコも2023年にブラジルを破っている。もし、日本がモロッコと対戦すると、かなり似た者同士の熾烈な攻防になりそうである。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
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