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サッカー日本代表がW杯でモロッコと対戦したら......警戒すべきは中盤にいる「プレス回避の達人」 (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【幾度の挫折を乗り越える】

 カサブランカ生まれのウナヒはラジャ・カサブランカ、モハメド6世アカデミーで育成され、18歳でリーグアンのストラスブールと契約している。しかしストラスブールではトップチームに定着できず、契約も更新できなかった。

 USアヴランシュにフリートランスファーで契約、3部リーグ相当からキャリアを再スタートする。アヴランシュで実力を示し、リーグアンのアンジェへ移籍。カタールW杯での活躍でマルセイユに移籍。ところが、つま先を負傷して長期離脱することに。

 2023年3月、モロッコは国際親善試合でブラジルをホームに迎えて2-1で勝利。6万5000人の観衆を集めての歴史的勝利だったが、ウナヒはこの試合で負傷してしまった。回復したあともマルセイユでレギュラーポジションをつかめず、2024-25シーズンはギリシャのパナシナイコスへローン移籍。10代の頃からその才能が注目されていたわりには、あまり順調なキャリアではなかったのだ。

 しかしパナシナイコスでの活躍が認められ、2025年夏からスペインのジローナへ移籍。あらためてその能力を示している。

 アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)、ブラヒム・ディアス、そしてウナヒの3人が連動するモロッコの右サイドは強力だ。W杯予選は8戦全勝だが、アフリカネーションズカップ(2024年)はラウンド16で南アフリカに敗れている(0-2)。モロッコの敗因は攻撃で高い位置へ頻繁に進出するハキミの裏をつかれたことと、ウナヒの推進力が封じられたことだった。

 これを参考にするなら日本はプレッシングで勝負するよりも、ブロック守備でスペースを消してウナヒの推進力を削ぎ、ハキミの裏を狙うほうが得策なのかもしれない。日本がモロッコと当たるかどうかもわからないが、いろいろ想像したくなる相手ではある。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

【画像】モロッコ代表ほか FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー

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