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プレミアリーグのベテランストライカーが熱い! 鄭大世がピックアップする注目FWたち (3ページ目)

  • 安洋一郎●取材・文 text by Yasu Yoichiro

【チームが頼る9番】

ドミニク・カルバート=ルーウィン(リーズ・ユナイテッド) 
生年月日:1997年3月16日 
プレミアリーグ成績:11試合2ゴール0アシスト

 ドミニク・カルバート=ルーウィンは、典型的な旧時代の9番タイプの選手です。彼ほどヘディングの垂直跳びが高い選手を見たことがありません。

 その存在感が強すぎるあまり、チームが依存するような選手です。そのため組織力の高いトップチームでは苦戦をすると思いますが、残留争いするチームなどにとっては本当に頼りがいがあります。

 近年はあまり多くのゴールを決めることができていませんが、彼のスタイルを見ていると、自分も「こういうふうになりたいな」って思います。これだけチームの中心でいて、みんなが自分に依存して、ボールを持ったら全部カルバート=ルーウィンに蹴る。そのような姿を自己投影した時に、好きな選手だと感じます。

 自分も現役時代は、どんなボールでも食らいついて、どれだけ遅れても絶対ボールに触りにいくか、体を当てに行っていました。でも、それを最近やる選手はあまりいないです。きれいなゴロのボールを受けるのがうまい選手はいますが、ラフなボールをマイボールにするといった、気持ちの入った選手はなかなかいません。

 だからこそウィルソンやカルバート=ルーウィン、ウェルベック、ワトキンスのようなラフなロングボールを活用していた時代の生き残りの選手たちを応援したくなります。

 ただ、30歳を過ぎるとロングボールを受けるのは大変です。自分も(ロングボールを受けることに)自信があったのでボールを受けたかったのですが、ロングボールはスプリントするので体力の消耗が激しいです。

 それでも、逆に細かいパスを受ける動き直しをするのも大変です。細かいチェックの動きでマークを外して足元でボールを受けたり、裏を取る動きをずっと続けないといけません。

 だから足元へのボールよりも、ラフなボールを自分に蹴ってくれるほうが楽な選手もいます。それでやっていけるのであれば、得意なプレーを続けるのがいいと思います。

著者プロフィール

  • 鄭大世

    鄭大世 (チョン・テセ)

    1984年3月2日生まれ。愛知県名古屋市出身。朝鮮大学校から2006年に川崎フロンターレに入団し、FWとして活躍。2010年からはドイツへ渡り、ボーフム、ケルンでプレー。その後韓国の水原三星、清水エスパルス、アルビレックス新潟、FC町田ゼルビアで活躍し、2022年シーズンを最後に現役を引退した。北朝鮮代表として2010年南アフリカW杯に出場している。

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