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プレミアリーグのベテランストライカーが熱い! 鄭大世がピックアップする注目FWたち (2ページ目)

  • 安洋一郎●取材・文 text by Yasu Yoichiro

【総合力の高さで勝負】

ダニー・ウェルベック(ブライトン) 
生年月日:1990年11月26日 
プレミアリーグ成績:13試合7ゴール0アシスト

 ダニー・ウェルベックは、旧時代の9番タイプとネオ9番のどちらにも属さない、トップクラスでバランスのよい選手だと思います。昨シーズンはキャリア初のリーグ戦2桁ゴールを達成するなど、まさに「がんばれ!おっさん」を体現しています。

 スピードで相手をはがすことはできませんが、それ以外は何でもできる選手だと思います。ケガが多いながらも試合に出場すれば結果を残すクオリティがあるからこそ、この年齢までプレミアリーグの第一線でプレーできています。

 ウェルベックは自分が得点を決めるよりも、周りを生かすことが中心にあって、そのなかのひとつにゴールがある選手だと思います。まずはチームの流れを良くする潤滑油としての役割を一番大切にしていますね。

 彼が他のストライカーと大きく異なるのが、ビルドアップ時の視点だと思います。

 普通は味方選手がボールをつないでいるのを眺めているだけです。しかし、彼の場合はピッチを上から見ている感じで、センターバックやボランチの選手がボールを持った時にチームが数的優位を作れるかを確認しています。

 だからこそ、自分の判断で的確なタイミングに下がって、ボールを受けることができるのだと思います。

 その上でフィニッシュの局面では、インスイングのクロスにもアウトスイングのクロスにも合わせられる技術があり、チームが苦しい重要な場面でゴールを決めてくれます。まさに精神的な支柱ですね。

オリー・ワトキンス(アストン・ヴィラ) 
生年月日:1995年12月30日 
プレミアリーグ成績:13試合1ゴール0アシスト

 個人的にプレミアリーグのストライカーで1番いい選手は、オリー・ワトキンスだと思っています。

 彼は総合的に能力が高く、本当に何でもできる選手です。ゴール数は得点王争いに割って入るほど多くはありませんが、楔のパスを受けることも、クロスに合わせることも、ボックス内での崩しもできる。足を止めずにスピードで裏も取れますし、プレッシングもできます。

 今シーズンも開幕からあまりゴールを決めることができていませんが、ワトキンスは得点以外の部分でもチームを機能させることができます。

 彼が旧時代の9番タイプの選手と大きく異なるのが、サイドに流れてボールを受けることです。昔のストライカーは監督からも「ゴールから離れるな」「ボックスのライン(幅)の外に出るな」と言われていました。

 それが今は逆で、サイドに飛び出してボールとの距離を近づけるだけで、チームのパス成功率やコンビネーションが向上し、崩しやすくなります。ワトキンスはサイドの裏に走って起点を作り、全体を押し上げるための時間を作って助ける場面も多いです。

 自分が最後にゴールを取る動きだけじゃなくて、自分の動きが次のプレーにつながる。それを自然にできるのがワトキンスだと思います。

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