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久保建英のビッグクラブ移籍ははたして成立するのか 地元スペイン人記者の見解 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【契約解除金の内容】

 また、久保の移籍に関して、レアル・マドリードがキャピタルゲイン(購入価格と売却価格の差による収益)の50%を受け取る権利を保有していることは周知の事実だ。そのため、ラ・レアルは値下げ交渉に応じるつもりはないだろう。満額で売却しても得られる移籍金は3300万ユーロ(約59億4000万円)程度だ。これはラ・レアルにおける久保の存在価値を考えるとかなり低い金額である。

 久保の契約解除金が決して安くないことに加え、昨年2月に2029年まで契約更新していることから、ラ・レアルは今回の報道を冷静に捉えている。

 また、彼のこれまでの姿勢や最近の発言を考慮すると、まだ発展途上のチームで、彼自身が確固たる自信を持てていない厳しいシーズンの真っ只中に、ずっと幸せを感じていた船から下りるというのは現実的ではない。さらに移籍金の全額が恩義のあるクラブに入らないことを考えるとなおさらだ。

 そのため冬にラ・レアルを離れる可能性は非常に低いだろう。一方、この日本のスター選手の去就をめぐる物語は来夏、より複雑な新しい章を迎えると私は予想している。

 契約は2029年まで残るが、来季以降の去就は不透明だ。彼が今季をよりよい形で終えられるのか、それともゴンサロ・ゲデスやアンデル・バレネチェアの控えになるのか、今後の状況を見ていく必要があるだろう。来シーズン開幕時に久保が控えになっていたらかつてなら驚きだっただろうが、今はそれほど非現実的な話ではない。

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