【欧州サッカー】CLでも二世フットボーラーが躍動 「親の七光り」を跳ね返したテュラム、ラーション、ウェア (3ページ目)
【名門の下部組織で鍛えられる良血馬たち】
マルキュスとケフレンのテュラム兄弟、そしてジョーダン・ラーションは、父親がバルサでプレーしていた時代に、ラ・マシア(バルサの下部組織の総称)に短期間ながら所属している。そして、アメリカで生まれ育ったティモシー・ウェアは、父が名を上げたパリ・サンジェルマンのユースチームに、10代の半ばから籍を置いていた。
近年、二世フットボーラーの台頭が顕著な理由には、もしかするとそんな生い立ちも関係しているのかもしれない。
人格形成に大きな影響を及ぼすのは、生まれた場所ではなく、育った環境だ。偉大な父を持つ自らの出自に縛られず、幼少期に異なるカルチャー、異なるフットボールに触れることで、コスモポリタンな感覚を身につける。類まれなDNAを受け継ぐ者たちが、そうした多様性と柔軟なマインドを手に入れたとすれば、成功の道はおのずと開かれるだろう。
環境を変える判断は、10代後半であってもいいはずだ。父パトリックと同じアヤックスのユースで育ったジャスティン・クライファートは19歳で祖国を離れ、26歳にしてすでにイタリア(ローマ)、ドイツ(ライプツィヒ)、フランス(ニース)、スペイン(バレンシア)、そして現在のイングランド(ボーンマス)と5大リーグすべてでのプレーを経験している。彼がウイングからトップ下に主戦場を移してブレイクを遂げるのは、2年前にボーンマスに加入してからだ。
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