【欧州サッカー】CLでも二世フットボーラーが躍動 「親の七光り」を跳ね返したテュラム、ラーション、ウェア (2ページ目)
【"リベリアの怪人"の息子がレアル・マドリーから得点】
強豪レバークーゼンを相手に、2-2のドローゲームを演じた伏兵コペンハーゲンに価値ある先制点をもたらしたのは、ヘンリク・ラーションの長男、ジョーダン・ラーション(1997年生まれ)だった。セルティック時代に5度の得点王に輝き、バルサ時代の2005-06シーズンには名脇役としてCL制覇に尽力した父ヘンリクは、打点の高いヘディングと決定力が売りだったが、ジョーダンの一番の魅力はスピード。右サイドからの鋭い仕掛けでチャンスを生み出すウインガーは、今年6月、約4年ぶりにスウェーデン代表復帰も果たしている。
その他、彼らと同じ中堅クラスで言うなら、前線の層が厚い今シーズンのリバプールでは出番が限られているとはいえ、イタリア代表では不動のレギュラーを務めるフェデリコ・キエーザ(1997年生まれ/父は元イタリア代表FWエンリコ・キエーザ)、昨シーズンのボーンマスで12ゴールを挙げてチームの9位躍進の立役者となったジャスティン・クライファート(1999年生まれ/父は元オランダ代表FWパトリック・クライファート)なども、大成した二世フットボーラーに数えられるだろう。
さらに目を引くのは、彼らよりも下の世代、2000年以降生まれに優秀な二世がひしめいていることだ。
ユベントスの中盤に不可欠な存在となりつつあるのが、2001年生まれでマルキュスの4つ年下の弟、ケフレン・テュラムだ。DFだった父、ストライカーの兄とも異なり、こちらはハードワークが身上のセントラルMF。タイトな守備に加え、ダイナミックに持ち運ぶドリブルで局面を前進させるプレーも得意とし、これからワールドクラスへと駆け上がれるだけのポテンシャルを秘めた逸材と言っていい。
今シーズンにユベントスからのレンタルでマルセイユに加わったティモシー・ウェア(2000年生まれ)は、ミランで一世を風靡し、アフリカ人初のバロンドールに輝いた"リベリアの怪人"ことジョージ・ウェア(現役引退後はリベリア大統領)の三男だ。本職は父親にも負けず劣らずのスピードを武器とするウイングだが、SBやWBをこなせるマルチロールでもあり、サイドなら左右を問わない。このティモシーもまた、レアル・マドリーと対戦した今シーズンのCL初戦でゴールを決めている。
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