三笘薫のブライトン残留は正解の兆し 夏の移籍市場を経て田中碧と鎌田大地の立場はよくなったor悪くなった? (4ページ目)
【安く買って高く売るビジネス】
ブライトンは大半の主力を確保し、将来性の豊かな選手も手に入れた。今夏の収支バランスはプラス7500万ユーロ(約130億円)。あいかわらず商売がうまい。この充実した戦力を武器に、今季も結果を残す可能性は高そうだ。
移籍市場では天文学的な数字のやり取りが頻繁に報じられる。ブライトンも昨夏は2億ポンド(約400億円)を投じた。しかし、誰もが知る大物ではなく、ビジネスの基本は先行投資だ。「安く買って、高く売る」を貫いている。
今夏もアーセナル、ボーンマス、ブレントフォード、バーンリー、リーズ、マンチェスター・U、ニューカッスル、ノッティンガム・フォレスト、サンダーランドがクラブ史上最高額を市場に投じている。ただ、それは果たして正解なのか。資金力の豊かなメガクラブはともかくとして、中規模程度の経済力ならブライトンを参考にしなければならない。
クリスタル・パレスの鎌田、リーズの田中、ブライトンの三笘──。プレミアリーグを賑わせた夏の市場をまたぎ、昨季と今季ではまったく彼らの立ち位置は変わってくる。今季もチームに欠かせぬ存在として重宝されることを願いたい。
著者プロフィール
粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
【図】2025-26「最新」欧州サッカー注目クラブ主要フォーメーション
4 / 4