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三笘薫のブライトン残留は正解の兆し 夏の移籍市場を経て田中碧と鎌田大地の立場はよくなったor悪くなった? (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【田中碧がベンチウォーマー?】

 チャンピオンシップから昇格した田中碧の所属するリーズは、今夏に10人もの新戦力を獲得した。彼らの平均身長はおよそ190cm。プレミアリーグの強度に耐えうる大型選手を重用するのだろうか。

 この動きに伴い、一部では「田中は控えに降格か?」とささやかれている。日本代表MFは180cmだからだ。ニューカマーたちに比べると上背はない。

 しかも2節のアーセナル戦で、田中はひざを負傷してしまった。9月いっぱいは欠場を余儀なくされるだろう。昨シーズンの4-2-3-1から4-1-4-1にシステムが変更し、3列目から2列目に上がった田中は、動きがやや窮屈にも映った。

 定位置争いのライバルになるショーン・ロングスタッフは、ニューカッスルでジョエリントンやサンドロ・トナーリ、ブルーノ・ギマランイスといった強力な中盤のバックアップとして働き、首脳陣からも支持されていた。田中にとって手ごわい相手である。

 しかし、プレミアリーグに残留するためには分厚い選手層が必要だ。体制を整えたリーズの戦力は、クリスタル・パレスをしのぎ、ウルヴァーハンプトン、ウェストハム、そして同じく昇格してきたバーンリーを上まわったようにも感じられる。

 昨季の田中はプレミアリーグ昇格に最大限尽力し、チームMVPにも輝いた。そんな彼がベンチウォーマーになるかもしれないのだから、戦力は増強されたと判断していいだろう。

 昨季から在籍するイリア・グルエフやイーサン・アンパドゥに加え、新戦力のロングスタッフとアントン・シュタッハ(ホッフェンハイム→)が参戦する今季の定位置争いは、チームのレベルアップに直結する。そうなれば、プレミアリーグ残留というベストアンサーにたどり着く。

 アーセナルのデクラン・ライスは「リーズで最も警戒すべき選手」として、田中を高く評価している。ケガからの復帰後、田中は再びポジションを確保することができるか。

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