ラ・リーガの注目の新シーズン 補強充実のアトレティコ、久保建英のレアル・ソシエダはどうなる? (4ページ目)
【ラ・リーガの価値、面白さ】
倉敷 プレミアリーグっていうのは、すごくたくさんいい選手集まるじゃないですか。集まって価値を高めていくという考え方をするんですね。そうすると他のリーグっていうのは、ラ・リーガも含めて価値を落としたって考え方をする。
ラ・リーガが一番価値を落としたと言われているのが、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドがいなくなった時。それがやっと最近になってキリアン・エムバペやヴィニシウス・ジュニオール、ラミン・ヤマル、ロベルト・レバンドフスキみたいな形でちょっとずつ盛り上がってきているわけです。
今はバルセロナやレアル・マドリード、アトレティコもちょっと上に上がっていることもあるけど、他のところではレアル・ソシエダとか、バレンシアとか、あとはジローナとかはかなり評価を下げました。ヨーロッパでの実績、選手を放出してしまったマイナス、それからもうひとつはレンタル選手を返さなければいけなくなった。
そのなかで、ここからどうやりくりするかはラ・リーガの実力なんで、ここからギリギリで誰を取ってくるのかとか、どうやって底上げしていって戦えるチームにするのか。そうした志を持っているチームが出てくるはずです。
林 下位のチームでもいい選手がたくさんいるし、プレミアとはまたフットボールがちょっと違う部分もあります。スローに見えるんだけど、戦術的によく整えられているチームも多いので面白い。
倉敷 超速いプレミアがあって、ラ・リーガがあって、セリエAってもっと遅いですよね。それでもチャンピオンズリーグになると、この速さの組み合わせをどっちが使うんだっていう面白さがある。落としたいんだろうな、いや、落としたくないんですよっていうのはおかしいですね。
林 プレミアがすごい!って全部が強く見えるけど、じゃあラ・リーガのチームが戦うと、意外とうまく戦えちゃうみたいな。昨シーズンのインテルもそうでしたけど、なんかこう簡単に見ることができないのが、フットボールの面白さなんですよね。
著者プロフィール
林 陵平 (はやし・りょうへい)
1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。現在はプレミアリーグからJリーグまで幅広く解説を務め、トップランナーとして活躍中。
倉敷保雄 (くらしき・やすお)
1961年大阪府生まれ。ラジオ福島アナウンサー兼プロデューサー、文化放送記者を経てフリーアナウンサーに。J SPORTSの人気サッカー情報番組『Foot!』のMCを長年務めたほか、Jリーグから欧州各国リーグ、欧州CL、南米まで、手がける実況は広範にわたる。2002年日韓ワールドカップでは日本代表の初勝利のゲームを始め、決勝戦などを担当した(スカパー!)。豊富な知識に裏づけされた的確な実況と遊び心のあるコメントで、コアなサッカーファンから初心者まで支持は厚い。愛称は、ブラジルで「名手」を意味する「クラッキ」と名字の「倉敷」をかけたクラッキー。
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