クラブワールドカップ優勝賞金は180億円 批判は封じ込めたが開幕しても問題は山積...... (4ページ目)
【ロナウド出場を画策も失敗】
さらに、インテル・マイアミが「特例」によって出場を果たしたことも批判を呼んでいる。
本来、MLSの王者はロサンゼルス・ギャラクシーだった。しかし、インテル・マイアミが昨シーズン、レギュラーシーズンで1位だったという理由で出場が認められてしまった。そしてその発表は、インファンティーノ会長自身がマイアミのピッチ上で祝福しながら行なわれた。
その背景には、リオネル・メッシの存在がある。メッシが加入してから、インテル・マイアミは世界的なブランドになった。メッシがいれば大会の目玉になる。客を呼べる。その影響力をFIFAは最大限に利用しようとした。
実はFIFAは、メッシだけでなく、クリスティアーノ・ロナウドもこの大会に参加させようとしていた。ロナウドが所属するアル・ナスルは大会参加条件に合致しなかったが、インファンティーノ会長は常々「アル・ナスルが出場できなかったとしても、クラブワールドカップのために作られた特別移籍期間を利用すればロナウドの参加は可能だ」と語っていた。
これは、FIFAが新設した特別な移籍ウィンドウのことで、本格的な夏の移籍市場が開く前に、6月初旬の10日間だけ移籍を認める期間を設けたのだ。ここでロナウドが参加資格を持つどこかのチームに移籍すれば、彼はめでたくクラブワールドカップに出場することができる。メッシ対ロナウドの対決も夢ではない。しかしロナウドは参加を否定し、アル・ナスルとの契約を延長した。
FIFAはこうした批判の数々にはもう慣れっこになっている。だが今、彼らは最大の敵に直面している。それは人々の「無関心」だ。
私がいるシアトルでは、ワールドカップのような空気はどこにも感じられない。チケットはいまだに売れないようで、試合直前になってどんどん値が下がっている。開幕戦のインテル・マイアミ対アル・アハリ戦の最安値のチケットは、昨年12月の時点では349ドル(約5万円)だったが、それは77ドル(約1万1000円)にまで下がったという。それでも開幕戦には空席があった。メッシがいたにもかかわらず......。
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