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三笘薫、遠藤航、鎌田大地...プレミアリーグで奮闘した日本人選手の現地での評価は? (3ページ目)

  • ジョン・ブルーウィン●文 text by John Brewin
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

【タフな経験。悲しみのシーズン】

菅原由勢(サウサンプトン)

2024-25シーズン評:6(10点満点)

 勇敢ながら脆さが顕著だったチームでプレミアリーグにデビューしたのは、なんともタフな経験だったことだろう。サウサンプトンは序盤から降格候補となり、実際に終始、最下位に浸りきり。プレミアリーグ史上最速で降格したチームにありながらも、菅原は豊かな人間性で周囲に溶け込み、確かなスキルを備えるウイングバックとして、存在感を示していた。

 10月のアーセナルとのアウェー戦や11月のホームでのリバプール戦、12月のウェストハムとのホームゲームなど、大きなミスもあった。ただ、3人の監督が采配を揮い、ライバルにいたぶられ続けたチームで、プレミアリーグの1年目を駆け抜けた経験は、大きなハートを持つ選手を逞しくさせるかもしれない。

 この好人物は本拠地セント・メリーズに集うサポーターのフェイバリットになった。菅原は、次のようにファンに感謝する。

「いつも温かい手拍子や声援で、『カモン、行こうぜ!』と背中を押してくれる。彼らの愛を感じるし、僕たち選手もファンを愛しています」

冨安健洋(アーセナル)

2024-25シーズン評:3(10点満点)

 チームメイトや指導陣の誰もが信頼する守備者にとって、悲しみに満ちたシーズンとなってしまった。

 手術したヒザの重傷からピッチに復帰した2024年10月5日、ホームでのサウサンプトン戦の終盤の数分だけプレーしたものの、同じケガを再発させてしまい、またしても手術を要する長期離脱に。復帰は来年と見られている。冨安本人はもとより、プレミアリーグで3年連続2位に終わり、チャンピオンズリーグでは準決勝に終わったチームにとっても、痛かった。特に守備陣に負傷者が続いた終盤の大事な場面で、彼の不在を強く感じたものだ。

「彼はフットボールのために生きている選手だから、(離脱を強いられている彼を見るのは)本当に辛い」とミケル・アルテタ監督は話した。

「どんな時でもプレーしたがる意欲的な選手でもあるし、プレーレベルは極めて高い。私たちも彼のことを最大限に配慮しているが、外国籍選手が重傷を負い、家族と離れてリハビリに励むのは、本当に想像を絶することだ」

 今シーズンの全公式戦の記録は、前述したプレミアリーグ7節の6分間のみとなってしまったが、過去3シーズンは毎年リーグ戦に20試合以上出場し、昨季はチャンピオンズリーグの重要な一戦でも起用されていた。状態が整えば、間違いなくアーセナルでも出番はある。

>>「プレミアリーグ今季の戦術トレンドと3人の優秀監督」

ジョン・ブルーウィン 
John Brewin/1976年生まれ。英国マンチェスター出身のスポーツジャーナリスト。『ESPN』のシニアエディターを経て、現在は主に『ガーディアン』で健筆を揮う。同紙のポッドキャスト『フットボールウィークリー』やラジオ『トークスポート』にも頻繁に出演している。

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著者プロフィール

  • 井川洋一

    井川洋一 (いがわ・よういち)

    スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。

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