検索

三笘薫の今季の成長を実感させた最終節トッテナム戦 途中出場でパスが回り始めた (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 Sugiyama Shigeki

【単なるウインガーではない】

 三笘は前節のリバプール戦で今季10ゴールを決めた。ウイング兼ストライカーぶりを発揮したことになるが、その10点目のシーンではゲームメーカー色も発揮していた。三笘自身が出したスルーパスをダニー・ウェルベック(元イングランド代表)がシュート。GKがセーブした跳ね返りをパス&ゴーで中央に入った三笘が鮮やかに決めたというシーンだが、この三笘の動きを要約すればウイング兼ストライカー兼ゲームメーカーだった。

 ウイングであるがゲームメーカー的。大外に位置するにもかかわらず中盤的。三笘がボールを受けるとブライトンのサッカーは安定する。ベンチが三笘を長い時間ピッチに立たせておきたい大きな理由のひとつだろう。

 スパーズ戦、ブライトンが1-1に追いついたのは後半6分で、得点者はジャック・ヒンシェルウッド(元U-19イングランド代表)だった。ブラヤン・グルダ(U-21ドイツ代表)の蹴ったCKをアダム・ウェブスター(元U-21イングランド代表)が頭で落とし、そのボールに反応して生まれた同点弾だったが、コンビネーションプレーからCKをゲットしたのは三笘だった。

 この同点弾を皮切りに、ブライトンは後半19分に逆転ゴールを奪うと、43分、48分(アディショナルタイム)にも加点。4-1でアウェー戦をものにしたが、すべてのゴールは三笘が入ってから生まれたものだ。勝因は三笘の投入にありといっても大袈裟ではない。

 ディエゴ・ゴメス(パラグアイ代表)が決めた4点目のゴールでは三笘にアシストがついている。最終ラインのヤン・ポール・ファンヘッケのロングフィードを三笘が左の深い位置でナイストラップ。ボールを収めると、そこを起点にパスが回った。三笘はその5本目のパスを再び受けると、6本目のパスを中央寄りで構えるディエゴ・ゴメスに送った。

 直後にディエゴ・ゴメスがミドルシュートを決めたのだが、三笘を軸にまさに左サイドで"作った"ゴールだった。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る