三戸舜介はパリ五輪後、燃え尽き症候群になっていた 「前向きな気持ちはあるのに、ふわふわっとした感じ」 (3ページ目)
【故郷として感じるのは「新潟」】
── 三戸選手と同じくJFAアカデミー出身の谷川萌々子選手(バイエルン)も、お父さんによく電話するらしいです。
「そうなんですか? 僕らって中学校から親もとを離れているので、昔からけっこう試合の内容とかを電話で話すんですよ」
── JFAアカデミーからも「家族に報告してあげなさい」と言われたりしていました?
「いや、そういうわけではないんです。ふだんは対面で話せないぶん、学校のことや私生活を電話で伝えるクセみたいなのがあると思うんですよね。もちろんアカデミーの生徒全員じゃないですけど、自分はそういう電話をするタイプです。
学生時代は寮生活で、携帯が使える時間も限られていたので、必然的に家族優先で電話をしていました。年齢的に『めんどくさいな』って思った時期もありましたけど、今はぜんぜん。この習慣があってよかったなと思っています」
── 離れているぶん、両親や故郷への思いも増しますか?
「いやそれが、故郷として感じるのは『新潟』なんですよね(三戸は山口県宇部市出身。アルビレックス新潟には2020年から2023年まで所属)。サポーターへの思いがあります」
── アルビレックス新潟のファンは熱狂的ですし、数も多いですよね。JFAアカデミーとはまったく違う環境だったと思います。
「高校生の時はSNS禁止で、LINEもダメな時期があって、twitterは途中からオッケーになったけど、インスタは最後までできなくて。だからファンから応援のメッセージをもらったこともなかったので、新潟でのプレー後の反響の大きさに驚きました。JFAアカデミーも特殊な環境でしたけど」
── JFAアカデミーは普通の高校生活ともちょっと違いますよね。
「入学を決める小学6年生の頃は、そんなこともまったく考えてなかったです。レベルの高いところでサッカーをしたい選手が全国から集まるって聞いて、JFAアカデミーに行きたいなって。サッカーがうまくなりたいだけの気持ちで入学しました。
中学時代は地元の中学校に通っていたので、その時は普通のクラスメートも周りにいたんですよ。ただ、高校だけがちょっと特殊(プロ志望の生徒のみで構成されたコースに所属)で、最初はホームシックにもなりましたけど、6年間通してめちゃめちゃ楽しかったです」
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