三戸舜介はパリ五輪後、燃え尽き症候群になっていた 「前向きな気持ちはあるのに、ふわふわっとした感じ」 (4ページ目)
【斉藤光毅「俺と同じタイプが来た」】
── 新潟に3シーズン在籍したあと、昨年1月にオランダのスパルタ・ロッテルダムへ完全移籍しました。
「ずっと海外には行きたかったですけど、最初はそうすんなり行けるとは思ってなかった。行けるタイミングがあったら行きたいなっていう感じでしたね」
── そのタイミングが来たのはパリオリンピックの半年前。リスクは考えませんでしたか?
「言っていることが矛盾するかもしれないですけど、ずっとオリンピックを目指してきて、このまま日本で試合に出続けるか、もしくは海外に挑戦するかと考えた時、絶対に早く海外に行くべきって思ったんです。
それでオリンピックに出られなくても、一番の目標はA代表に入ることなので、そこに行くためには早く海外に行かないと、という思いが前提にありました。だから『オリンピックに出られなくなるかも』というリスクはあまり考えなかったですね」
── 当時はスパルタ・ロッテルダムで斉藤光毅選手(現クイーンズ・パーク・レンジャーズ)が先にプレーしていましたが、彼は「俺と同じタイプが来た」と思ったそうです。そういうことも考えました?
「今あらためて思ったら、その時はそこまで考えてなかったですね。光毅くんとポジションが被るなんて。『オファーが来たから行きたい!』っていう、ただ単純にそれだけ。でもたしかに、かぶってますね(笑)」
(つづく)
◆三戸舜介・後編>>「三笘薫や伊東純也を超えるために欠けているもの」
【profile】
三戸舜介(みと・しゅんすけ)
2002年9月28日生まれ、山口県宇部市出身。中学校進学と同時にJFAアカデミー福島に加入。2020年から特別指定選手としてアルビレックス新潟の練習に参加し、翌年に加入する。同年2月のギラヴァンツ北九州戦でJリーグデビュー。2024年1月からオランダのスパルタ・ロッテルダムでプレー。日本代表には2017年より各カテゴリーで選ばれ、2019年のU-17ワールドカップ、2024年のパリオリンピックに出場。ポジション=MF。身長164cm、体重60kg。
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。
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