アルバロ・レコバにみんな憧れた 「マラドーナやメッシと並び称される存在」と同僚サネッティが断言 (4ページ目)
【『俺の左足で虹を描いてやるよ』】
負傷による戦線離脱も少なくはなかった。好不調の波が激しく、つい1〜2週間前までは神がかっていたにもかかわらず、突如として凡人以下に身を落とす。監督にすると扱いづらい。
だが、祖国ウルグアイではレコバに憧れる選手が非常に多い。
ディエゴ・フォルラン、ルイス・スアレス、エディンソン・カバーニなど、近年のウルグアイを代表するストライカーは、「成長過程でレコバをイメージしていた」と公言している。やはり、あのシュートは強烈なインパクトを残していた。キャリアのなかで6回も直接決めたCKも鮮やかだった。
戦略・戦術に縛られ、マジシャンよりもアスリートが重用される今、レコバのようなタイプは二度と現れない。現れたとしても、トップクラブでは起用されない。窮屈な時代になったものだ。
「雨あがりのピッチなら、俺の左足で虹を描いてやるよ」
なんて粋なコメントじゃないか。ウルグアイが産んだ稀代のファンタジスタは、その発言も自由だった。
スリッピーだとか芝生が根づいていないとか、近頃の選手は言い訳が多すぎる。チーム広報が準備してきたかのようなコメントばかりで、面白みに欠ける。
プロスポーツは競技であると同時に、娯楽でもあるべきだ。レコバのようなタイプを時代おくれと断言すると、フットボールに未来はない。
著者プロフィール
粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
【フォーメーション】レコバが活躍したインテルの現在の布陣は?
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