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プレミアリーグの勢力分布図 「BIG6」のうち3クラブはすでにその座から滑り落ちた (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【マンCもかつてはどん底時代があった】

 今シーズン好調のボーンマスはホームスタジアムのキャパシティが11,307人、ノッティンガム・フォレストは30,404人と、BIGと表現するには規模が小さい。三笘薫を擁するブライトン、鎌田が所属するクリスタル・パレスは、タイトル歴が白紙である。

 伝統と格式を重視するなら、BIGの枠に食い込めるのはアストン・ヴィラだろう。プレミアリーグがイングランド1部リーグと言われていた時代に7度も優勝し、FAカップ7回、リーグカップ5回、1981-82シーズンはチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)も制している。ホームスタジアムのヴィラパークは美しく、42,500人のキャパはビッグクラブの仲間入りをするためのサイズを満たしている。ブランドイメージは申し分ない。

 一時はリーグ3(実質イングランド4部)まで転落したマンチェスター・Cを「ADUG」が買い取るなど、誰が予想しただろうか。アストン・ヴィラは昨シーズン4位。今シーズンはCLの決勝ラウンドにストレートインしている。クラブ創立は1874年。巨大資本がアストン・ヴィラに興味を示したとしても不思議ではない。

 リバプールとマンチェスター・Cの2強にも、いずれ新旧交代の時が訪れる。20年以上もリーグ優勝の美酒に酔っていないアーセナルには、テッペンに立った瞬間に我が世の春を謳歌するだけの力がある。

 プレミアリーグの勢力分布図はいつか必ず塗り変えられる。BIG6の図式はすでに崩れ去った。常勝チャンピオンなど存在しない。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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