プレミアリーグの勢力分布図 「BIG6」のうち3クラブはすでにその座から滑り落ちた (2ページ目)
【みんなグアルディオラの戦術をマネた】
トッテナムはリバプールを下まわる。最終盤まで優勝争いに名を連ねたのは2015-16シーズンだけだ。チャンピオンズリーグも常連ではない。プレミアリーグのオリジナルメンバーであり、1882年創立の名門であるがゆえに「BIG」と呼ばれるも、実力は伴っていない。直近5シーズンも6位、7位、4位、8位、5位。周囲の期待を裏切り続けている
それらBIG4の時代に、一石を投じたのがマンチェスター・Cだ。2008年に「アブタビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)」が買収すると、豊富な資金をふんだんに使って瞬く間にチームを強化していった。
2011-12シーズンはロベルト・マンチーニ監督が、2シーズン後はマヌエル・ペジェグリーニ監督がリーグ優勝に導いている。かつてはライバル視どころか、歯牙にすらかけなかったファーガソンに「うるさい隣人」と言わしめたのだから、マンチェスター・Cからすればしてやったりだ。
また、2016-17シーズンから率いているジョゼップ・グアルディオラ監督は、昨シーズンまでの8年間で6回のリーグ優勝。2020-21シーズンからは前人未到の4連覇まで達成している。
「ポジショナルプレー」「偽サイドバック」「偽9番」など、グアルディオラ監督の革新的なアイデアはサッカー界全体のトレンドとなった。主力の高齢化と負傷者の続出で今シーズンこそ不振にあえいでいるが、近年のプレミアリーグはグアルディオラの影響力が色濃く、多くのクラブが教本にするほどだ。
そして唯一、彼らと伍したのがリバプールのユルゲン・クロップ監督だ。2015年10月にマージーサイドに赴任したドイツ人の熱血漢は、「ゲーゲンプレス」でマンチェスター・Cに対抗した。
入念な研究に基づく戦略・戦術、プレー強度、テクニックなど、すべての面で申し分なかった。クロップ体制下のリバプールは9年でわずか1度のリーグ優勝に終わったとはいえ、勝ち点92や97の高ポイントでもマンチェスター・Cの後塵を拝するケースが2度もあった。それほど両チームのレベルは拮抗し、プレミアリーグは2強の時代が7〜8年も続いている。
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