クバラツヘリアは母国をワールドカップへ導けるか 世界トップのウイングがパリ・サンジェルマンへ (2ページ目)
【欠点のない現代的なウイングプレーヤー】
クバラツヘリアは、現在世界でトップクラスの左ウイングだろう。
左サイドから仕掛けるドリブルは、典型的な軸足リードの形である。左足を先行させながら右足でボールを操る。三笘薫でお馴染みの持ち方だ。
後出しのドリブル。相手が体に正対すればカットインのコースが空く。ボールに正対すると縦方向が空く。相手の立ち方次第で内側か縦かを選択できる。クバラツヘリアはさらに縦と見せての股抜きのカットインが得意で、切り返しの深さと鋭さもある。カットインか縦かだけではなく、縦の途中でのカットインや、カットインとみせて切り返しての縦がある。
基本的にはカットイン型だが、抜け出し方が多彩なのでDFふたりがかりでも抑えられない。183㎝と上背があってリーチもある。ちょっと背中をまるめた持ち方、粘着性の強いドリブルは、ポルトガル代表でドリブルの名手だったルイス・フィーゴと似ている。
ドリブルだけでなくキックの精度、パワーもすばらしい。
どんなにドリブルがうまくても、仕上げのキックがよくなければ結果は出ないわけだが、クバラツヘリアはそこがうまいのでアシストや得点という数字に直結するプレーになっている。
カットインからの右足のシュート、パス、あるいはFKなどセットプレーでよく使っているのが、右足を放り出すようなキックだ。カットインからのキックは選手によっていろいろな蹴り方があるのだが、クバラツヘリアの蹴り方は安定性がある。足首を返さないで、足先を下に向けたまま甲の内側に当てて押し出すように蹴る。このやり方だとボールが上がりにくく、真横の回転がかかるのでファーポストを狙っても外へ逸れにくい。
利き足は右だが左足のキックもうまい。打点の高いヘディング、しなやかなボレーシュートもあって得点力が高く、それ以上にアシストを量産できる。守備面もしっかりやれて、欠点のない現代的なウイングプレーヤーと言える。
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