検索

フランス代表の新10番候補ラヤン・シェルキ21歳 ジダン、グリーズマンの系譜を継げるか (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【両足を同じように使えるタイプ】

 見た目はリオネル・メッシに似ている。足下に吸いつくようなドリブルとキレのあるフェイント、少し背中を丸めた姿もよく似ている。身長はメッシより6㎝高い176㎝だが、小柄な技巧派だ。

 面白いのが、完全な両足利きだということ。ドリブルは左足を多く使っていて、それもあってメッシを思わせるのだが、実は右利きだそうだ。確かにセットプレーは右足で蹴っていて、パワフルな右足のシュートも決めている。

 両足を同じように使えるタイプはこれまでにもいたが、ここまでどちらが利き足かわからない選手は珍しい。フランス代表にはウスマン・デンベレという、やはりどちらが利き足なのかわからない選手がいるけれども、ナチュラルに両足が使えるのは極めて希少だ。

 右ウイングあるいはトップ下としてプレーする。サイドもできるが、中央のほうがシェルキのキープ力やパスがより活きる。高度なテクニックとともにインスピレーションの冴えもすばらしく、まさに「10番」のタイプ。

 リヨンの育成を経て、15歳の時にはBチームでプレー。16歳でトップへ昇格。体幹の強さを感じさせるプレーぶりで、早熟なタイプだったようだ。ただ、育成年代の代表チームで活躍しながら、まだA代表に呼ばれていないのは少々気になるところではある。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る