南野拓実はモナコを全体4位に。チャンピオンズリーグ出場の日本人8人の活躍度を個別評価 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki

【守田英正のキラリと光るワンプレー】

 セルティックの中盤で、唯一創造的なパスを前方に供給することができていた旗手は、逆にそのタイミングでピッチをあとにした。つまり古橋、旗手の両者がピッチで一緒にプレーすることはなく、両者のパス交換も見られずに終わった。

 セルティックから脱出するには、CLで活躍することが近道になる。より上位のクラブへ移籍する手がかりをつかむことができる。アタランタ戦で活躍すれば、アタランタから誘われる可能性もある。欧州のカップ戦は出会いの場でもあるのだ。

 そこでのスタメン落ちや早い時間の交代は、選手にとってストレスになる。出場時間は後半29分までプレーした前田が最も長かったが、旗手の採点を6.5とすれば、前田は5.5が精一杯だろう。これでは株は上がらない。

 第2節のPSV戦で大活躍したスポルティングの守田も、今節のシュトゥルム・グラーツとのアウェー戦ではスタメンから外れた。代表ウィークの翌週にCLが行なわれる強行軍である。W杯アジア3次予選で2試合(サウジアラビア戦、オーストラリア戦)ともに先発フル出場した影響だろう。

 ただ、出場時間は短かったが、守田は1本キラリと光る縦パスを送っている。36チーム中、8位と好調なチームにとって、欠かせない選手であることをあらためて思い知らされるワンプレーだった。

 チェイス・アンリが所属するシュツットガルトは、ユベントスとのアウェー戦で後半の追加タイムに入った47分、決勝弾を決めて番狂わせを起こした。チェイス・アンリがピッチに送り込まれたのはその直後。右SBとして数分間プレーした。たかが数分、されど数分だ。その間、対峙するユベントスの左ウイング、ケナン・ユルディス(トルコ代表)の突破を阻止するプレーも見せている。これでCLは3戦連続出場だ。いずれも交代出場ながら、しっかり経験を積むことができている。

 心配なのはリバプールの遠藤だ。日本代表キャプテンの現状について森保一監督は「世界的な選手と普段、練習を一緒にしているので、心配していない」と述べているが、ここまで出場時間が減少すると、そうも言っていられなくなる。本人も辛くなるだろう。その動向を注視したい。

遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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