上田綺世がPK失敗について語る「まったく気にしないって言ったら嘘になる」けど「試合は終わりじゃない」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【PKを見つめ直さないといけない】

 試合後、上田は開口一番、自身のPK失敗に触れた。

「まず自分がね、PKを決めてれば、もっとチームに余裕を持たせられたと思うし、そういうゲーム展開になったのかなと思う。そこはやっぱり責任を感じているし、決めなきゃいけないなっていう、その悔いは残る」

 本来、ゴール右上の隅を突くようなPKは、上田が得意とするところだ。だが、この日はそのキックを止められた。

「コースも甘かったですし。もっと、自分のPKを見つめ直さないといけないなと。ちょっと練習します」

 PKを見つめ直す、ちょっと練習する、という言葉に、この日の上田の悔しさが詰まっているようだった。その練習は、実際にはちょっとではないのだろうと想像してしまう。

 その後、交代する71分までの間、上田はPKのミスを取り返そうと動き回った。過去に上田がPKを失敗した2試合ではゴールを決めているデータもあったが、焦りからか味方とリズムが合わない。いざという時に前線におらず、ボールロストからピンチも招く。苦しさが伝わってくるようだった。

 後半開始直後の3分、上田はゴール前で右からのラストパスを受けるが、シュート前に戻ってきた相手ディフェンダーに奪われてしまう。これが後半、最もゴールに近づいたシーンとなった。

「やっぱりシュートまで持っていくところのクオリティだったり、引き出しだったり、そういった判断はまだまだレベルアップする必要がある」

 上田はそう振り返った。

 そもそも前半のPK失敗は、その後のプレーに影響したのか。

「まったく気にしないって言ったら嘘になるし、もちろん動揺もあるし、悔いもある。でも、そこで試合は終わりじゃないし。PKを外してしまった分、自分で取り返そうと思って攻撃も守備もプレーしましたけど、なかなか結果に貢献することができなかった」

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