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サッカー日本代表のレベルアップに直結する欧州サッカー日本人選手の活躍 福田正博の注目は? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【難しい状況の遠藤航】

 一方、フィールドプレイヤーに目を向けると、心配なのが遠藤航だ。リバプールは今季から新監督にアルネ・スロットを迎えたが、プレーする機会がほぼ与えられていないのだ。

 前任のユルゲン・クロップ体制でもシーズン当初は出場機会がなかったが、それは開幕直前の移籍でチームにフィットする時間がなかったからだ。そこから3カ月ほど要したが、チームにフィットしてからはアンカーのポジションを不動のものにし、遠藤への評価も右肩上がりになった。

 しかし、クロップ前監督とスタイルの異なるサッカーを志向するスロット監督のもとでは、序列が低下。プレミアリーグでは8月25日のブレントンフォード戦の90+1分に交代出場したのみだ。日程がタイトなうえ、リーグ戦で今季初黒星を喫した直後にあったUEFAチャンピオンズリーグの初戦ミラン戦でも、90+3分からの途中出場に終わった。しかも、そこから中3日で臨んだプレミアリーグのボーンマス戦ではまさかのベンチ外を味わっている。

 スロット監督就任によって、遠藤の状況が厳しくなることは開幕前から予想されていたが、まさかこれほどまでとは思いもよらなかった。遠藤自身も置かれている立場は理解していただろうし、それを跳ね返す自信があったからこその残留だったはずだ。しかし、ここまでプレー機会が満足に得られないのでは、存在感を示すこともできない。きっと誰よりも大きなジレンマを、遠藤自身が抱えていることだろう。

 遠藤の出場機会が限られると、日本代表に影響がないとは言いきれない。経験豊富なだけに「ない」と思いたいが、試合勘や体力面で苦しむ可能性はある。遠藤は来年2月で32歳になるが、トップレベルでプレーできる時間は決して多いわけではない。このままリバプールで出場機会が得られないようならば、冬の移籍期間に新天地を求める決断も大切だ。遠藤が試合に出るにはリバプールを去るか、その前にスロット監督が考えを改めるしかないと思ってしまうほどの状況にある。

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