サッカー日本代表のレベルアップに直結する欧州サッカー日本人選手の活躍 福田正博の注目は? (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【プレミアリーグで新たな挑戦を始めたふたり】

 苦しんでいるのは遠藤だけではない。久保建英もレアル・ソシエダでスタメンから外れるなど、昨季のような絶対的な存在感をまだ示せていない。ただ、9月21日のバジャドリード戦では4-3-1-2のトップ下でスタメンで出場すると、好機を演出して久保らしさを見せた。9月から11月までは代表活動もあるため、クラブだけに集中するのは難しいものの、昨シーズンの序盤戦で見せたような輝きを放つのを待ち望んでいる。

 プレミアリーグで新たな挑戦を始めた2選手にも注目している。今季はクリスタル・パレスで鎌田大地、サウサンプトンで菅原由勢がプレーしている。

 フランクフルト時代のオリバー・グラスナー監督に請われて新天地に移籍した鎌田は、1トップ下の2シャドーの一角やボランチとして出場を重ねている。まだフランクフルト時代のような輝きは放ってはいないものの、随所に鎌田らしさは見せている。時間が経つことでチームメイトが鎌田の特徴を理解していけば、チームに不可欠な存在感を示してくれるはずだ。

 菅原は開幕戦から右サイドバックのレギュラーとしてスタメン出場を重ねている。3節のブレントンフォード戦では、チームは敗れたものの、プレミアリーグ初ゴールをマークした。攻守の切り替えのスピードが速く、強度も高いこのリーグのレベルに対応しながら、選手としてのスケールを一段も二段も高め、その経験を日本代表に還元してくれるのを期待している。

 ほかにも活躍が楽しみなフィールドプレイヤーはたくさんいる。ただ、海外組にとってしばらくは、W杯アジア最終予選の日本代表活動と二足のわらじを履くことで体力的なキツさがある。それによって精彩を欠くと所属クラブでの居場所を失いかねない難しさがあるが、なんとか乗りきってほしいと思う。

 これから日本代表入りを狙う選手たちは、まずは所属クラブでしっかりポジションを確保し、アピールしてもらいたい。各国リーグのシーズンが進むにつれ、あちこちのクラブからも日本選手の活躍が報じられるようになることを期待している。

遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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