久保建英が活躍中のレアル・ソシエダの「エスタディオ・アノエタ」は美しいビーチが続く高級保養地のスタジアム (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

  ただ1931年、スペイン内戦により王政が崩壊すると、クラブ名はバスク語でサン・セバスチャンを意味する「ドノスティア・クラブ・デ・フットボール」と改名し、エンブレムの旗にあった王冠も削除された。1940年に王政が復活すると、再び、クラブ名がレアル・ソシエダとなり、王冠が復活し、エンブレムもほぼ現在のデザインとなった。
 
  そのレアル・ソシエダのホームスタジアムは、エスタディオ・アノエタ(Estadio de Anoeta)である。スタジアムが面している通りの名前から付けられた。現在はイタリアの保険会社がネーミングライツを取得していることにより「レアレ・アレーナ(Reale Arena)」と呼ばれている。
 
  アノエタは1909年から1913年まで使用したエスタディオ・オンダレタ、1993年まで80年ほど使用したエスタディオ・アトーチャに次いで、クラブにとって3つ目となるホームスタジアムだ。もちろん、バスク人デザイナーによって考案されたアノエタの特徴は何といっても流線形のUFOのような青い外観であり、どの時間帯でも太陽光が入るように半透明となっているという。
 
 スタジアムツアーもあり、カップの展示や、ロッカールーム、インタビュールームなども見ることができる。外部のコンコースには、1980年代前半に成功を収めた監督・故アルベルト・オルマエチェアの胸像がある。
 
  旧陸上競技場跡地に建てられたアノエタは、サン・セバスティアンのアマラ地区の南に位置する。新市街からバスに乗って15分ほどで、徒歩でも30分くらいで到着する。また、市の中心のアマラ駅からアノエタスタジアム駅までは電車でわずか3分だ。周辺にはスポーツセンターやスケート場などがあり、全体でいわゆる「アノエタ・スポーツ・シティ」の一部を形成している。このスポーツ複合施設の隣には「ドノスティア・アレーナ2016(通称イジュンベ闘牛場)」がある。

 建設資金はサン・セバスティアン市議会、ギプスコア州議会、クラブであるレアル・ソシエダが拠出し、スタジアムは市の団体であるソシエダ・プリヴァーダ・ムニシパル・アノエタコ・キロルデジアが管理している。クラブの投資金額が一番多いため、2074年まで本拠地として使用できる予定だという。 

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