サッカー日本代表のレベルアップへ! 識者が選ぶ今季欧州サッカーで活躍期待の日本人選手たち (2ページ目)

【新加入の選手たちがどのくらい活躍するかに注目】

篠 幸彦(スポーツライター)

<期待の選手>
菅原由勢(サウサンプトン)
鎌田大地(クリスタル・パレス)
浅野拓磨(マジョルカ)

 近年、プレミアリーグに移籍を果たす日本人選手が増えるなか、今季はサウサンプトンに菅原由勢、クリスタル・パレスに鎌田大地が加入。昇格組のサウサンプトンはビルドアップからショートパスを丁寧につなぐポゼッションスタイルにこだわり、ここまで3試合ともボール支配率60%以上を記録。非常にチャレンジングなサッカーを展開している。

 そんななか、菅原は右ウイングバックで開幕から3試合連続で先発。タッチライン際で幅を取りながら右サイドの崩しの一端を担い、CKのキッカーも務めている。チームのスタイル的に、攻撃で個の能力に任せるよりもコンビネーションや裏に抜ける動きなど、菅原持ち前のポジショニングセンスを生かしやすい。

 開幕のニューカッスル戦ではハーフタイムでの交代を経験したが、第3節のブレントフォード戦では初のフル出場。チームのシーズン初ゴールを菅原が記録するなど、存在感を示している。開幕3連敗のサウサンプトンだが、この攻撃的なサッカーで菅原がどんなプレーを見せるのか注目したい。

 フランクフルト時代の恩師オリバー・グラスナー監督の希望で、クリスタル・パレスへ加入した鎌田。プレシーズンからシャドーのポジションで出場し、すでに主力のひとりとなっている。身体能力に秀でた選手が多いなかで、ゆったりと巧みにボールを引き出し、ライン間でボールを受けられる鎌田の存在は異彩を放っている。

 第2節ではベンチスタートとなり、途中出場からボランチでプレーしたものの、プレミアリーグのスピード感のなかでは厳しかった。チェルシー戦で再び先発し、自身で決定機のシュートを放つなど、徐々に存在感を見せている。

 カラバオカップのノリッジ戦では1ゴール1アシストを記録した。リーグ戦でも結果を残し、チームやサポーターからの信頼を確立したいところ。クリスタル・パレスのタレント陣を鎌田がどのように生かすのか楽しみだ。

 新加入組ではラ・リーガのマジョルカに移籍した浅野拓磨も面白い。マジョルカといえば、堅守速攻のイメージが強いが、今季からオサスナを長年率いたハゴバ・アラサテが新監督に就任し、ポゼッションスタイルに変貌を遂げている。

 浅野は長身のベダト・ムリキを頂点にシャドーやトップ下のような位置に入り、スピードを生かして2列目からの飛び出しで違いを生み出している。これまでのチームとはまったく違うスタイルのなかでの浅野の活躍に注目している。

後編「将来の可能性を感じさせる選手たち」へつづく>>

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プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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